-パリ五輪現地レポート-柔道 男子60kg級・女子48kg級(2024.7.27)
この日は終日雨が降り続き、気温が上がらず肌寒い1日でした。
長袖か上着1枚羽織らなければならないほど。
人生初の柔道観戦。
いきなり国際試合というのもなかなかだと思いますが、思い切って観戦に行くことに。
試合会場はエッフェル塔を臨めるChamp de Mars Arena.
UBERを駆使して会場移動します。
1日2試合観戦するためにはUBER利用は欠かせません。
こちらの会場も午前中のバレーボール会場と同様、試合開始1時間半前から入場待ちの長い列。
ただ、荷物検査は形式的には行いますが随分緩め。
MLBやFIFAワールドカップではかなり厳重なルールがあり、ルール外のものは没収が当たり前の検査を受けてきた身からするとその差を感じます。
オリンピックチケットはデジタルチケット。
試合直前になるまで入場のQRコードがアプリ上で出現しないシステム。
これは公式サイトのリーセール以外で転売させないための策だと思われますが、なかなか良い仕組み。
なんなく通過し、会場へ。
会場内はこちらも座席は仮設スタンド形式。
オリンピック後、建物や施設が負の遺産にならないような計画のもと運営されていることが良くわかります。
⚫︎日本チーム金メダル第1号は女子48kg級 角田選手
準決勝の戦い。
なかなか決まり手となる技がお互い繰り出せず、両者指導を2つ受けて延長戦へ。
延長戦はジリジリする我慢の時間が続き、最後は相手の反則により試合終了。
相手選手は納得がいかないといったシーンもあり、会場がブーイング。
相手選手が組まないと判定され指導が言い渡され試合終了、という流れだったようですが、会場ではわかりづらかったです。
この選手はスウェーデン バブルファス選手でしたが、3位決定戦で勝利し、表彰台では角田選手と談笑していました。
決勝は準決勝の疲れもあってか、最後の力を振り絞って臨んだ感がありました。
モンゴル選手も疲労感があったようですが、角田選手が技ありを奪い、そのまま優勢勝ちし、本大会日本チーム第1号の金メダル獲得。
おめでとうございます。
君が代、初めて国際大会の優勝シーンで聞きましたがジーンとくるものです。
⚫︎男子60kg級 永田選手 健闘の銅メダル獲得
準々決勝での不可解な判定を経て、敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦も文句なしの合わせ一本勝ち。
メダルマッチに照準を合わせられた永田選手のメンタルに敬服。
3位では納得できなかったかもしれませんが、戦いぶりは現地でも地元フランスの観客も賞賛を送っていたほど。
表彰式で永田選手に笑顔はありませんでしたが、憮然といういうわけでもなく。
この結果は受け止め式に臨んでいる印象でした。
次回の五輪で決勝戦の舞台に立てることを願っています。
⚫︎フランスの柔道熱の凄さ、観客の質の高さ
今回、女子の3位決定戦と男子決勝戦にフランス代表選手が出場。
会場の盛り上がりが柔道のイメージとは違い、独特の応援だと思いました。
・どの会場でも使用されるフランスを応援する歌で鼓舞する
・ドラムが持ち込まれ、サッカーのチャントのような応援が繰り広げられる
・アレー、ルーカ(フランス男子選手)!などの応援が試合中続く
柔道人口は日本より多いといわれているフランス。
柔道への応援は日本と違った「熱」を感じました。
女子は銅メダル獲得したので勝利に対して熱狂的な賞賛。
男子は銀メダルで終わりましたが、試合終了後は相手選手を称える拍手。
落胆、という感じはあまりなく、結果にこだわり過ぎない観客の雰囲気が印象的でした。
フランス以外の他国選手同士の試合もしっかり拍手をしたり応援したりできるのは素晴らしい。
柔道、また観戦に行きたい種目の一つとなりました。