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成人病の治療は症状が出てからはじめても、もう遅いんですよ

中年になってきて、ちょっと体の調子に気を使う年齢になってきました。

遺伝や体質にもよりますけど、やっぱり高脂血症とか高血圧って、ある意味現代病に近いですよね。
若い人でも薬を服用しているケースが見受けられます。

僕の場合は、恥ずかしながら5年ほど前から高血圧と高脂血症の薬を飲んでいます。
血圧に関しては、内服前は140くらいだったんですけど、今は110台くらいに落ち着いていて、全く問題ありません。

で、皆さんにちょっとお伝えしたいんですけど、血圧って少々高くても症状はほとんど出さないものなんですよね。
じゃあ、いつ症状が出るかというと、放置したまま10年以上経ってからなんです。

血管って結構頑張るんですよ。

これはアルコール性肝炎、高脂血症、糖尿病にも言えることで、病気が指摘されてもすぐには症状が出ません。

人間の臓器って、ほとんどそうですよね。
出血でもしない限り症状は出さない。

でも、そういう蓄積が最終的には肝硬変とか、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞といった病気を引き起こすわけです。

ここからなんですけど、よく勘違いされがちなんですが、じゃあ脳出血や脳梗塞、心筋梗塞を起こしてしまってから治療を始めたとして、その後にそういう病気の発生が完全に抑えられると思いますか?

そんなわけありません。なぜなら、それまで10年間放置してきた蓄積があるわけです。

治療を始めたからといって、その蓄積がなくなるはずもなく、薬を飲み始めたとしても進行を多少抑えられるかもしれないけれど、リスクはそのまま続くんです。
血管が新品になるわけじゃないですから。
人間の体って精密機械みたいなもので、やっぱりいつか故障は来るんです。

ですが、機械として考えるなら、人間の体って本当にすごいですよ。
自己修復機能がついている機械なんて他にありませんから。

でも、患者さんってよく勘違いされます。

「治療したからもう大丈夫」って、そんなわけないでしょう。

よく患者さんのご家族が「治療していたのになぜ再発したんですか?」なんて言ってくることがあるのですけど、そんなの当たり前なんですよ。

それまで10年、20年と健康に気を使わず、暴飲暴食や運動不足で生きてきた体が、薬を飲んだからって魔法のように元に戻るわけがない。
もしそんな薬が開発されたらいいんですけど、医学はまだそこまで到達していません。

何より、人間の体って老いるんです。歳を取るんです。
人間はいつまでも生きているわけじゃないですから。

だから、皆さん、健康診断でイエローサインが出たら、すぐにでも治療を始めてください。

長生きしたいなら、お願いしますね。


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とある地方都市の某外科医
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