#22【惜】みんなの回答~「惜しい」は褒め言葉?
日本の猛暑がすごいらしい。
これまでは体感で夏の暑さを感じることが多かったけれど、
今は「気温の数字」でしか日本の暑さを知ることができないので、
38度!とか言われると、例年よりかなりキツそうな感じがします。
少なくともタイよりは暑い。
サワディーカップ。
タイトルの写真は、先日入ったカフェ屋さんです。
「モーニンググローリー」と見やすい明朝体で看板をカタカナで書いてくれています。
唯一、長音を示す「ー」が横文字のままなのが「惜しい!」。
と、ふと思いました。
「惜しい」って褒め言葉?
褒め言葉として受け取れない感覚
言語学を専門にしてきた者の矜持として、
言葉のニュアンスは気になるものです。
この「惜しい」、
僕個人としては言われてあまりいい気はしません。
なんでなのか、考えてみました。
テストで95点だった人に「惜しい」というと、
95点の得点分よりも、100点からの失点分にフォーカスされているように思います。
サッカー指導でも「惜しいシュート」というのは、当然ゴールに入らなかったことを意味し、入らなかったことが強調される感覚があります。
だから、教育に携わっている者としては、僕は子どもたちに「惜しい」という言葉は使わずにいるように思います。
このあたり、いろんな意見が欲しいところです。
褒め言葉と捉える考え方
ちょっと別の視点で考えます。
そもそもこの「惜」の意味はなんなのでしょうか。
惜しいの意味でつかわれる「惜敗」「惜別」。
「惜しい人を亡くした」とかもそうですね。
どちらかというと「あとちょっとだったのに~」の「惜しい」よりも、
「心残りがある」の意味でつかわれるように思います。
「名残惜しい」の連語が代表的ですね。
とすると、
「95点、惜しい!」というのは、
失点分の5点に目を向けながらも、
「心残りがある点数だよね」という「悔しさ」なのではないでしょうか。
たしかに20点だったら「100点取れなくて悔しい」とはならないけど、
95点だったら「100点取れなくて悔しい」になる可能性は高いですね。
他人が評価するものではない?「惜しい」
結局「惜しい」という言葉の原義としては、
「あとちょっと」という量や数値の問題ではなく、
「心残りがある」という感情面でのニュアンスが大きいのではと思います。
僕も最初は「コップの水理論」みたいな、数値や量の捉え方の話かと思ったのですが、そうでもないように思えてきました。
と考えると、「心残りがある」かどうかは本人にしか分からないのだから、
他者(しかも大人が)「惜しいね」というのはちょっと違う?
とも思い始めました。
「みんなの回答」
ちなみに、僕がインスタでとったアンケートでは、
でした。
教育畑の友人が4割ほど回答者に含まれていたことを鑑みても、
この言葉には両面性があるように思います。
子どもへの声掛けとしてあまり多用しないようにしようと改めて思いました。
あくまで個人的な感覚です。