20200518 No14 見えない感染:北部陥落
本日も仕事が終わった、郊外の病院にて研修を受けた。COVID19患者やその家族に、いかに精神的ケアを提供するか、そのカウンセリングの方法についてだ。たまたま、州保健省のチームリーダーが精神科医だったので、開催されたと思われる。ナイジェリアにおけるアウトブレイク対策における優先順位は高くないかもしれないが、質にこだわる取り組みは好ましいと思う。
そんなナイジェリアに関して、NY Timesが記事を上げていた。北部の大都市・カノの現状について、うまく書かれていると思う。
https://www.nytimes.com/2020/05/17/world/africa/coronavirus-kano-nigeria-hotspot.html?smid=tw-nytimesworld&smtyp=cur
記載されてることに加えて、所感を。
・検査体制は今でもshakyだ。ここ数日の報告が0や1桁であり、信じがたい。
・記事内では、医者や看護師の間で蔓延してると書いてるが、COVID19対策にあたる国際機関スタッフでも流行が認められている。なので、現場および市中では感染が蔓延してると思われる。
・カノが崩れたら、北部が崩れる、それはナイジェリアが崩れるということは、体感でもわかる。確かに、西アフリカ全体にも影響を与えるかもしれない。
・現場で噂程度に聞いた話だが、カノは中華系コミュニティとの経済的繋がりが強く、大分前からCOVID19は上陸していたとか。そうなると、4月における大量死の噂がCOVID19に紐付くのも、大外れではない。
NY Timesの記事の質の高さに敬意を評したい。あえてダメ出しするなら、途中、煽るような論調で、脚色されてると感じた。恐らく現場には取材には行けず、電話インタビューまたは現地レポーター等を使ったのだろう。
記事やデータを見ると数字ばかりが並ぶが、その後ろには人間、人生、家族、想いがあることを忘れてはいけない。
今日の夕方、フォローアップ中の方に、こちらの日課報告のための事務連絡をした。何気ないやり取りの中で、彼女は陽性で入院中の家族が回復してて嬉しいと述べられた。僕は自分のレポートのために、相手の心情など汲まず、機械的にコミュニケーションを取っていたと気付かされた。
長くて、暑い部屋でのカウンセリング研修であったが、大切なことを再認識させられたのかも。
写経 Day9 → ナイジェリアでの感染拡大がひどくならないことを、神頼みもしつつ、心底願っている。
体重 不明 → まだ下痢にして、運動はお休み。少しずつ回復傾向なり。