DrMasa_Africa

国連機関所属の公衆衛生医師、疫学者としてアフリカで研鑽中。 Public Health Doctor from Japan, working on polio in Nigeria. Views are my own.

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最近の記事

20200618 No22 1か月間の振り返り:モチベーション維持

アフリカにおけるCOVID19の現状に関する緊急セミナーを拝見した。 https://youtu.be/A7v7Vt-L80U 非常に面白かった。ガーナとケニアと、ナイジェリアと比較をすることができた。ケニアのスピーカー3人は、昨秋ナイロビを訪れてた際に、お会いした人たちであったので、尚更聞き入ってしまった。こうゆうにアウトプットするのは大事だなと思い、ナイジェリアについてもまとめておくべきだなと、何となく思った次第です。 さて、もう1か月以上過ぎているが、5月7日に1か

    • 20200615 No21 毎朝のケーススタディ:10年間の宿題 - 1

      本日で、ナイジェリアでの任期は終了。 という予定であったが、僕はこの記事を首都のホテルで書いてある。なので、任期は延びていることだ。(本来であれば、昨日に米国に発ち、米国の某公衆衛生機関で研修を受ける予定であった。) 米国研修の機会は逃したが、同等かそれ以上の学びの機会を疫学チームの朝ミーテイングで得ている気がする。米国研修でもきっとケーススタディという、実際のシチュエーションを想定した勉強法が実施されていたと思うが、こちらはケーススタディの元素材で経験を積ませてもらえて

      • 20200610 No20 お金以外のモチベーション:見える形の誇り

        長らくご無沙汰してしまった。 別にサボってた訳ではないのだが、仕事が忙しいのを心の言い訳に、遠のいてしまっていた。本日、所要で大使館にお邪魔して、何かとお世話になっている医務官の先生から、「今の経験は書き留めておてきなさいと」と言われて、またnoteに向かう気力をもらいました。 表紙の写真は、所属する疫学チームの朝ミーティング後の風景。この日は、黄色ベストが州保健省から配布された。シンプルなものだが、みんな貰っては喜んでいたし、モチベーション向上に繋がっているのが分かった

        • 20200602 No19 45日間プラン:次は東南アジア

          ご無沙汰しておりました、元気にナイジェリアで勤務および生活しております。 昨日(6月1日)、COVID19対策にあたる大統領タスクフォースより、今後の方向性について発表がありました。対策のフェーズ2に入るとして、部分的ロックダウン(夜間外出禁止・商業施設の営業禁止)を徐々に緩和していくとのことでした。 みんなの大きな関心としては、州間の移動(Interstate movement)と飛行機の運航についてでした。どちらについても、当面は再開しないということでした。しかし、国

          20200528 No18 善意のパンデミック対応:目標は赴任地帰還

          ご無沙汰してしまいましたが、元気に仕事しています。 今日はなかなか疲れましたが、やりがいのある仕事ではありました。同じ班で活動しているナイジェリア人の同僚(男性)の車が故障したということで、彼を家まで拾いに行きました。思ったより遠いかつ、連絡がうまくいかず、時間ロスが大きく、個人的にイライラしてしまいました。 ただ、そのイライラを同僚に察知されたのは、自分としては微妙だったと反省してます。彼とは4月半ばから仕事をしており、非常に良いパートナーと感じてます。しかし、今月後半

          20200528 No18 善意のパンデミック対応:目標は赴任地帰還

          20200522 No17 女性の活躍:休み前の回想

          全くナイジェリアの第一波は収まりの予兆は見えない。しかし、明日はラマダーン明けということで、緊急以外は休みとなった。ちなみに、今夜でラマダーンの断食終了である。 本日であるが、パワフルなナイジェリアの女性二人の板挟みに合うという稀有な状況に陥った。 疫学チームの別の班のナイジェリア人の同僚女性Sさんと共に、とある症例の接触者追跡に行くことに。そしたら、同じ国際機関の同僚女医のIさんと駐車場で会い、フィールドに行くなら付いていきたいと。断る理由もないので、快諾とした。 実

          20200522 No17 女性の活躍:休み前の回想

          20200521 No16 パンデミックの中でのポリオ:勉強になった

          本日は表紙に掲載している研修に参加した。TrainingまたはSensitizationといい、州保健省や国際機関が地元の保健行政スタッフや医療者に向けて、ある特定のテーマにて開催される。今回は、サーベイランスについてだ。 パンデミック対策の疫学調査(Contact Tracing)以外では、役回りがないのでオブザーバー参加となったが、非常に勉強になった。箇条書きとなるが、学びや気づきを記しておきたい。 COVID19対策において: ・今までは州の対策チームで実施していた

          20200521 No16 パンデミックの中でのポリオ:勉強になった

          20200520 No15 悩んだ症例:アフリカだからでなくシステムと個人の力不足

          背景:首都郊外にある小規模個人病院にて、院長(70代)が陽性となった。家族は4階建ての病院の最上階の一角に住んでおり、そのメンバーが濃厚接触者としてself-isolation(自主隔離・外出自粛)と14日間の健康観察の対象となった。院長は検査の2週間前から持病の悪化により体調不良であり、他院を受診した。そこの医師がCOVID19を疑い、検査を実施した。 陽性結果判明後、疫学チームは家族メンバーと面談したが、病院スタッフとの接触は許されなかった。病院経営をする家族が、スタッ

          20200520 No15 悩んだ症例:アフリカだからでなくシステムと個人の力不足

          20200518 No14 見えない感染:北部陥落

          本日も仕事が終わった、郊外の病院にて研修を受けた。COVID19患者やその家族に、いかに精神的ケアを提供するか、そのカウンセリングの方法についてだ。たまたま、州保健省のチームリーダーが精神科医だったので、開催されたと思われる。ナイジェリアにおけるアウトブレイク対策における優先順位は高くないかもしれないが、質にこだわる取り組みは好ましいと思う。 そんなナイジェリアに関して、NY Timesが記事を上げていた。北部の大都市・カノの現状について、うまく書かれていると思う。 ht

          20200518 No14 見えない感染:北部陥落

          20200517 No13 日曜出勤:国際機関での働き方

          日曜日であったが、フィールドに出た。個人病院においてCOVID-19陽性症例が出たケースである。1週間前から特別な対策が必要ではと上長たちにプッシュしていたのが、今になってゴーサインが出て行動することに。明日以降もフォローすると思うので、またサマリー形式で報告したい。 仕事における進展があったのは嬉しいが、予期せぬ日曜出勤にて、国連機関に勤める同年代の邦人の方とのSkypeをリスケすることに。お会いしたこともないが、Zoom勉強会の質疑応答で、同じ国連機関に勤めていること、

          20200517 No13 日曜出勤:国際機関での働き方

          20200515 No12 途上国におけるCOVID19対策:街をRed Zoneとする

          数日Lazyになり、日記をサボってしまった。 表紙は郊外のコミュニティでの、集団検査を見に行った時に撮影した。ボランティアの方々が手際良く、問診票を書いて、検体ラベルを作成して、フルPPEのスタッフがスワブを扱っていた。 このような所に来ると、どうしても目立ってしまうので、黄色人種向けの「ご挨拶」を受ける。お互いのためにも、必要な仕事をして、滞在時間は短くすることが望ましい。 このコミュニティに行くまでに、Urban Slumの街並みを拝見して、以下の記事を思い出した。

          20200515 No12 途上国におけるCOVID19対策:街をRed Zoneとする

          20200512 No11 相手の靴を履けているのか:Field Epidemiologist

          今朝Twitterで見た言葉。 日本のCOVID19対策を率いているうちの一人である、尾身茂先生の言葉らしい。刻んでおきたい。 Field Epidemiologistのロゴは、穴の開いた靴である。相手の靴を履いて、それを使ってとことん歩くのがField Epidemiologistだ。 本日はこのオンラインコースを受講していた。 https://www.coursera.org/learn/covid-19-contact-tracing/home/welcome

          20200512 No11 相手の靴を履けているのか:Field Epidemiologist

          20200511 No10 パンデミックの終焉は疲弊から:始まらないこともある

          先日、滞在中のホテルのエレベーターに閉じ込められた。4階から乗ったら、停電して、3階程度で止まった。初めて、エレベーターの中に閉じ込められたが、「遂に来たか」と驚きはなかった。停電は日常茶飯事なので、運悪ければ遭遇するとはと思っていた。パンデミックも同じなのだろう、「いつか来るよな」と思いながら、日常を過ごしていて、ある日襲ってくる。 友人がNY timesの興味深い記事をシェアしていた。How Pandemic Ends:パンデミックはどう終わるのか。 https://

          20200511 No10 パンデミックの終焉は疲弊から:始まらないこともある

          20200510 No9 Remdesivirの分配:公衆衛生と市場原理の分岐点

          表紙画像に使ったのは、Johns Hopkins 大学によるCOVID19に関するDaily Updateのメールだ。2日前のものであるが、いつもは米国または先進国で始めるレポートが、西アフリカのガーナになったので、スクショを撮った。 感染は中国→欧米を終えて、アフリカに入ってきた。ここからが、この大陸の正念場である。頑張ろう。 米国で、Emergency Use AuthorizationされたRemdesivirの分配が、正当に行われていないと、各地の医療現場から声が

          20200510 No9 Remdesivirの分配:公衆衛生と市場原理の分岐点

          20200509 No08 運転手席と後部座席における経済格差:特に解決策はないが

          先日、NHKスペシャル「新型コロナウイルス どうなる緊急事態宣言~医療と経済の行方~」を見た。英語版は世界に配信するためか、海外からでもストリーミングを拝見することができる。ありがたい。NHKには、BBCのように丁寧にドキュメンタリーを紡ぐ力があると思う(残念ながら、その範囲は国外には及ばないが、まあそれもそうだ。日本放送協会と、書いてあるので)  https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/4001357/ 日本で

          20200509 No08 運転手席と後部座席における経済格差:特に解決策はないが

          20200508 No7 検査結果否認ケースの顛末:求められる積み重ね

          本日は高速にて郊外の大学病院を訪れて、COVID19隔離病棟を視察するはずが、到着してからうまく連絡がとれていないことが判明。まあ、しょうがない(表紙は道中の車窓から)。先日のオンライン会議も1時間待ったが、参加者の半分も集まらず、延期に。予定の会議時間は、ただ待つだけで終わった。 このように書くと、アフリカだねと、途上国は適当だねと言われかねない。基本的に、国連職員として来てるので、現地のやり方に従うスタンスでいる。しかし、このような小さいことの積み重ねが、システムは良く

          20200508 No7 検査結果否認ケースの顛末:求められる積み重ね