イスラエルという国を一言で表すなら二律背反である。一見相容れないような矛盾した出来事、正命題と反命題がここでしかありえないバランスで拮抗しながら共存しているから日常生活もスリリングだ。 イスラエルは民族主義色のきわめて強い国というイメージが一般的だと思う。それは事実である一方、市民レベルではまだまだ形骸化しない民主主義が活きている国でもある。イスラエル人は「私はこう思うけど、言ったところで何も起きないだろう」とは考えておらず、皆が思うことを話合った結果、必ず合理的かつ民主主
以前の投稿で、元同僚のペルー人が「できるかな」を幼少期見ていたという話を書いたが、南米では日本のアニメが多く放映されているためジャパニメーションファンが多い。キャプテン翼、聖闘士星矢の人気は特に高く、南米人の元同僚に日本人のくせに聖闘士星矢も知らないのか、とキャラクターの名前と特徴をひとりひとり丁寧に説明されたこともある。こんな面白いアニメを作り出した日本という国にずっと興味を持っていたと言われ、祖国のソフトパワーを実感したものだった。 一方イスラエル育ちのアラブ人に、俺が
2007年イスラエル人の現在の夫と出会い、2010年よりテルアビブ在住。2021年日本に帰国するまでの間、イスラエルのオンライン金融業界でマーケティングマネジメント、ハイテク企業でアナリストやメディアマネジメント等を担当。イスラエル進出を希望する日本企業のコンサル、通訳・翻訳・ガイドも請け負う。日本企業よりイスラエル企業で働く方が気が楽という性分。
イスラエル人は兎に角おしゃべりが好きだ。友達のみならず親兄弟ともしょっちゅう会って会話をするのはもちろんのこと、電話でもよく話す。ちなみにイスラエル人はトイレで用を足しながらも電話で話をする。日本人にはかなり理解不能な習慣である。 何を話しているのかというと、ここ最近自分の周りで起こった出来事を中心にありとあらゆることを、そんなことまで?と横で聞いていて思うほど話している。何なら給料の額や家賃までもオープン。隠したところでイスラエルでは仕事も家賃も物の値段も相場があり、容易
テルアビブの飲食店に比較的詳しいので、在イスラエルの友人にレストランやカフェ情報を聞かれることが多いのだが、ある日、観光で来た人がスターバックスのご当地マグを買いたいといっているんだけど、テルアビブのスターバックスはどこにあるの?と聞かれたことがあった。 実はローカルコーヒーチェーンに勝てず10年以上前にスターバックスはイスラエルを撤退しているんですよ、ただパレスチナ地区にはスターズ・アンド・バックスカフェがありますと答えた。写真を見ていただくと分かる通りこれは本当である。
コーヒーやお茶に砂糖を殆ど入れない私は、毎度イスラエル人の砂糖の消費量に目眩を覚える。スプーン一杯程度ならまだしも、よ、よ、四、だ、、と、、?と絶句したこと数知れず。 夫も御多分に洩れず大の甘党で、一緒に暮らし始めた頃山盛り二杯の砂糖を入れたカフェラテを1日何度も飲むのが嫌で、こっそり一年ほどかけて砂糖を減らし続けてある日ゼロにしてみたことがある。それでも何も言わないので「今日初めて全く砂糖を入れないでみたんだけど、どう」と聞いたら全く気がつかなかったとの返事にいったいこの
随分前の話だが、テルアビブのアジアンフュージョンレストランで天ぷらを頼んだら酢豚の鶏肉版が出てきた。 流石に頭にきて、ウエイターを呼びつけて私は日本人だがこれは我が国では天ぷらとは呼ばれないと半ばキレながら抗議したものの、悪びれもせず「うちではこれがテンプラなんだよ」と返され、更に同席していた仏人の同僚が追い討ちをかけるように「前に別のところでテンプラ頼んだらこれが出てきたわよ」と参戦し日本軍撃沈。同僚、庇えよ私を。 そうですか、私がおかしいんですねと仕方なく酢豚ならぬ酢
2010年よりイスラエル人の夫と縁がありテルアビブに住みはじめ、2021年秋に夫と共に日本に戻ってきた。気づけば干支が一周するほぼ12年をあの街で暮らしたことになる。 イスラエルの人口の多い上位2都市はエルサレムとテルアビブであるが、それぞれの街のカラーは真逆と言える。彼の地での暮らしは決して平坦なものではなく、さてイスラエルが好きかと問われればうーんと首を捻るしかないのだが、テルアビブはと聞かれれば答えは違う。あの街は概ねいつでも私の味方でいてくれたように思う。 現代テ