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【化学系博士人材シンポジウムのレポ】「学生から見た博士課程進学」
おまたせしました……!
先日開催された、日本学術会議の化学系博士人材に関する公開シンポジウム、講演2つ目の講演のレポートになります。
講演の内容を簡単にまとめたスライド(画像)と、本講演に関する私の所感を簡単に記します。
高等教育に関する研究を行っている西村君平さん(東北大)が語る、博士進学の意識調査とその結果はいかに……!?
内容まとめ
本まとめは、講演内容を手書きでメモした内容に基づき、私個人が編集したものになります。シンポジウムや企業とは一切関係ありません。
またデータについても、メモを元に書き起こしているので、事実と異なる場合があるかもしれません。ご了承下さい。
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所感
博士学生への支援だけでは対処できない、意識や情報周知の問題
博士人材に関する問題が取り上げられると「博士学生への経済面・就職面での支援を充実させるべき」というお話をよく聞きます。
上記スライドの5ページ目で、「経済面・就職面の理由で進学をしない人もそれなりにいるが、社会進出への魅力・早期の経済的自立という理由で博士進学をしない・しなかった人が多くいる」ことを記載しました。
私は「修士でも博士でも、いつでも就職できるでしょ!」と、ノリで茨の博士進学の道を選びました。とは言っても、「理系の多くが遅くとも修士で卒業し社会進出する」というのが当たり前のライフコースだと、心のどこかで感じていました。
そして、博士課程でそもそも何が習得できるのかなんて、実際に進学して体験するまでは分からなかったですし、むしろ社会に出てから気づくことの方が多々あります。
講演者の西村さんがおっしゃるように、博士課程での教育意義・研究の魅力など、言語化できていない博士課程の魅力を明確化する必要があると思います。また博士学生への支援を最大限に活かすためにも、「博士進学=標準的なライフコースのドロップアウト」という潜在意識が、少しずつ変わっていけばいいなと感じます。
博士進学の経済効果という視点
上記最後のスライドに記載した「最終学歴ごとの生涯年収の違い」は、各方面でも話題になっているようで、詳細についてはここでは触れません。
博士卒の生涯年収が高いというのは、あまりピンときていないですが、「生涯年収」という視点で博士進学を考えたことがなかったので、面白いなぁと個人的に感じました。
この話の流れで「修士卒男性よりも博士卒女性の方が、年収が高い傾向にあることから、男性に引けをとらずに活躍したい女性は、博士進学も選択肢に入るのでは?」というお話も出ていました。
同じ学歴での比較でないところに若干のもやもや感を感じつつも、この視点も自分には無かったので、面白いなぁと思いました。
ただ、私の友人で、結婚や出産などのライフステージを考えて、博士進学をしなかった人がいました。その選択をした友人の気持ち、よくわかります。私自身も、博士課程に進学する上で、女性のライフステージをどう捉えるのか悩みました。
博士課程を卒業する頃には、少なくとも27歳になります。ゆくゆくは結婚・出産をしたい女性にとって、この年齢をどう捉えるか、大なり小なり悩んでしまうものだと思います。
博士課程に進むかどうか、お金の話も含めていろんな情報をもとに判断できるのは良いことです。たくさん悩んで、自分が後悔しない選択肢を選んでほしいなぁと思います。
参考)講演時の手書きメモ(本記事の参考文献)
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博士人材が活躍できる社会となりますように!
Dr. りけ子(Tsugumi)