【博士のこと。】博士課程で得られるトランスファラブルスキルってなんだろう?~届ける”表現”に思いを馳せて~【博士号もちアラサー主婦の独り言。】
先日、博士人材のレジリエンスについて、ちょっとしたボヤキを書きました。その後、博士に関するあれやこれやを調べる中で、「博士課程で得られるトランスファラブル(応用可能な)スキル」について言及しているWEB記事をみつけました。
今日はそんな記事を紹介しつつ、私のちょっとした思いも添えてみようと思います。
具体性には欠けるけど「へ~ぇ」と思うスキルがあると思うので、現在または将来の博士学生さんには、紹介するWEB記事にぜひ目を通してほしいです!
博士課程で得られる応用可能なスキル
3分もあれば読める記事。民間就職をした博士人材である私からすると、博士人材のトランスファラブルスキルを端的に示していると思いました。
博士のスキルというと、1番目のものはよく聞くと思います。その他、イメージ的には苦手そうなコミュニケーションや管理能力なども、実はちゃんと身につけてるよ、というのが書かれているのが興味深いです。
また、4番目の「学習の速さ」については、以下のような記述がありました。
私の経験上、「博士人材は、未知な分野だとしても、理解・吸収スピードが他者よりも早いから、会社でも十分やっていけるのでは?」と思っていました。最初はわからないことだらけでも、自分事として理解して落とし込むことが、博士人材は得意なんじゃないかなぁと。これを”点と点を結び付けて適切な文脈に適用する”と表現していて、どこか腑に落ちた感覚を得ました。
大学院で磨く!トランスファラブルスキルの具体例/一覧【博士向け】
1つ目の記事よりも長めの記事。文部科学省が公開している資料で書かれているトランスファラブルスキルを紹介しています。加えて、博士課程でどのようにこれらのスキルを磨いていくのか、研究活動に沿ってごく簡単に紹介しています。
本記事で書かれているトランスファラブルスキルは、1つ目の記事で提示されている6つのスキルを細分化して表現したような感じです(文章力・分析力など)。
”その他、博士号取得にあたって必要になるすべての経験”という項目に、全てが詰め込まれ過ぎでは!?と思いましたが(笑)、博士学生さんが行う日々の研究活動と絡めて表現しようという試みは面白いなぁと思いました。
トランスファラブルスキルの身につけ方について、興味深いことが書かれていたので、以下に引用します。
”経験の言語化”というのは、的を得ているなぁと感じました。
博士課程に在籍しているうちに、トランスファラブルスキルを自覚することは、なかなか難しいとは思います。研究に打ち込んでいたら、外のことを知る機会はなかなか無いだろうし、学術領域と産業界とで大事にする価値観や風土は、やっぱり違うなぁと思うからです。
でも、自分のスキルを言語化できるようになれば、卒業後の進路の選択肢を広げられることに、間違いなく繋がるはず。また、博士課程在籍中に、自身の伸ばすべきスキル・補うべきスキルを判断できるようになり、より成長できるようになると思います。
~博士と社会、双方に認知してもらう”表現”とは?~
数日に1回はこうやって博士に関して何かしら綴っている私自身、博士のトランスファラブルスキルを、まだ体系化できていないし、うまく表現できていない自覚があります。
スキルを端的に表現している記事を今回読んでみて、「なるほど、こういう表現があるのか!」と勉強になることが多かったです。
一方で、博士人材の認知があまり広がっていない現在の状況で、博士人材と社会の双方に、博士のトランスファラブルスキルをどうやって伝えるのがいいのかと、ぼんやり思いました。
「博士人材が有用である」と、私のような博士人材が発信したところで、”届く”表現をしないと、皆さんの心に響かないわけだし、「博士を採用しようじゃあないか!」と社会が動かないのかなぁと。
ふと思いついた”届け方”は、「博士課程で行う研究活動の中でスキルが身につく過程・場面と、社会で実際に活用される場面を、それぞれ具体的に紹介してみる」というもの。上で紹介した2つ目の記事をより具体化するイメージです。自分事として落とし込んでもらえるように、読者が場面誘起できるように伝えるのはどうかと考えてみました。
……けれど、所詮ただの思いつきなので、より適切な”届け方”をこれから模索していきます。
博士が輝ける社会となりますように!
Dr. りけ子(Tsugumi)