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心不全②さっきまで元気だったのに・・・なんで・・・。クリニカルシナリオⅠの「急性左心不全」、説明できますか?

割引あり

心臓は常に運動しており、全身の循環動態をコントロールしています。
そのため、心臓に異変が生じて循環動態が破綻すると瞬間的に状態が悪くなることがあります。「ピンピンコロリ」はそのいい例ですね。恐らくVF(心室細動)等を指しているのだと思いますが・・・

さて、比較的遭遇頻度が高い、というか医療者では必ず出会う病態である急性左心不全について今回は話したいと思います。
急性左心不全というと、

「少し前まではなんともなかったのに、いきなり息苦しくなって救急要請した」


というパターンが多いのではないでしょうか?
聴診すると両側で「ブツブツ」と泡がはじけるような呼吸音。
レントゲンみると肺が真っ白。


両肺には鬱血があり、心拡大も目立ちますが、胸水がありません。


でも、レントゲンをよくみると肺は真っ白でも、胸水はあまり溜まっていないこと、結構ありませんか?また、心不全の患者さんだと溢水で足がむくんでいるイメージがあるかもしれませんが、足には全く浮腫がない。

なんで肺が真っ白になるのでしょうか?どこから水がきたのでしょうか?
湧いて出てきた?

これを考えていくうえで、覚えて頂きたい知識があります。
クリニカルシナリオ(CS)」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

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