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【コラム】黒豆

年の瀬も迫りました。
新年を迎える準備は進んでいますか。
(・・・私はこれからです。)

お正月と言えば、おせち料理。
おせちは節目の日に
神様に捧げる供物(御節供)を
指していましたが、
いつしかお正月の節句の料理を
こう呼ぶようになりました。

おせちは手作りですか。
お取り寄せされますか。
食べないという選択もあるでしょう。

義母が元気な頃は、
ぎりぎりまで仕事をしながら、おせちを作り、
宴が始まれば、寒い台所で、
お酒や茶碗蒸しを用意し、
ほぼ毎年、発熱し、臥せって
年を越していました。
(この地方では
大晦日におせちをいただきます。)

親子5人で迎えた2019.12.31
賛否両論お取り寄せおせち
2019.12.31自宅で用意したもの

今はその反動で、
黒豆、数の子、田作りの三つ肴、
あと何種かを用意するだけにして、
その分、ゆったりとした年末年始を
過ごしています。

右から黒豆、数の子、田作り

三つ肴の謂れは諸説ありますが、
黒豆は一年の邪気を祓って
まめで暮らせるように、
数の子はにしん(二親)の卵は多く、
子宝に恵まれるように、
田作りは田畑の豊作、五穀豊穣を願って、
いただきます。
たたきごぼうか酢ごぼうが
置き換わる地方もあり、
ごぼうは地に根を張ることから
子孫繁栄、末永い幸せの意味が
込められています。

本草綱目によると、
黒豆は古くより、能(よ)く腎を補するとして、
鹽(しお)を入れて煮て常食されてきました。
五行説にあてはめると、
豆は水行の腎の穀、
その形が類していて、
しかも水に配当される黒色は腎に通じており、
水の味にあたる鹹(かん・しおからい)の鹽を
用いれば、
結果として、腎を補うと説明できます。

黒豆には補腎のほか、
身体の余分な水を排泄する、
消化吸収をつかさどる脾を健やかにする、
血を補い、血の巡りをよくする、
体内の老廃物や毒素を取り除く働きがあります。
老化防止や疲労回復によい食材なので、
おせちの煮豆以外にも、大いに使いたいですね。

毎月1日、15日に
名古屋・大阪 薬膳資格取得 一般社団法人 紡ぐしあわせ薬膳協会 (yakuzen.or.jp)
ホームページに、
薬膳コラムを書いています。
普段は薬局薬剤師として働き、
国際中医薬膳師、国際中医師、
紡ぐしあわせ薬膳協会の認定講師となり、
2017年2月よりコラムが掲載されています。

【薬膳コラム】黒豆は、
2024年12月15日に更新されました。

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