正統的な消去算の問題2題(23江戸女&23洗足学園中)
2024年1本目として、今回はスタンダードな消去算の問題を選びました。消去算(特にここでは加減法)とは、異なる2つ(ないし3つ以上)の数量が与えられたときに、どちらか一方の個数をそろえて引き算によって消去することで、その差から他方の数量の大きさを求める問題です。その際に、最初は線分図を使って図形的に理解してもよいですし、もう少し進んで、かけ算の式変形として理解してもよいです。さらに、割合と比の考えを本格的に導入すれば、1個あたりの数量を①などとおくことで、より立式がスマートになります。ただし、いずれの方法をとるにしても、「一方の数量を消去する」という基本方針は変わりません。
今回取り上げる二つの問題はいずれも、消去算のこの基本的な考えを理解できているかをしっかりと測れる良問となっています。多くの人に取り組んでもらいたいです。
(解)
1.3人の足の大きさをそれぞれ◯、◇、■とすると、
◯+◇ =40cm ・・・ア
◇+■=42cm ・・・イ
◯ +■=50cm ・・・ウ
ア+イ+ウをすると、
◯×2+◇×2+■×2=132cm
だから、
◯+◇+■=132÷2=66cm ・・・エ
3人の足で一番大きいのは■なので、エ−アにより
■=26cm.
2.割引きされないときのアメ1個の値段を[1]、チョコレート1個の値段を〈1〉とする。割引き時のアメ1個の値段は[0.9]と表される。
[7]+〈2〉=410円 ・・・A
[18]+〈3〉=915円 ・・・B
B×2–A×3をすると、
[15]=600円
だから、割引きされないときのアメ1個の値段[1]は、
600÷15=40(円)
よってAから、チョコレート1個の値段〈1〉は
(410–40×7)÷2=65(円).(終)
ひとこと
消去算の方法は、中学校から学び始める数学では、ごく基本的な計算技術になります。つまり、消去算を習得すれば、それだけいろんな文章題において、計算の要領が向上するということです。
消去算の計算では、最終的には、今回の2.の解答に示したような、1個あたりの数量を①などとおく方法を使えるようになると、応用範囲が広がります。消去算を通じて、少しずつ、線分図に依存しない「式変形」という発想になじんでいけるとすばらしいです。