和歌アーカイブ 2021.09.20-21
今年の十五夜に望む月は、数年ぶりに満月であったとのことです。私の住まう地域はあいにくの曇天で、月はよく見えませんでしたが……。
[曇天の月] 2021.09.20
空に照る叢雲ばかりほの見えて人頼めなる夜半の月かな
[雲間の月] 2021.09.20
里の野に秋は来にけり 久方の雲間にさゆる夜半の月影
[曇天の月] 2021.09.20
ぬばたまの夜半の叢雲たちこめて雲居のよそに月や冴ゆらん
*人頼めなる……人にたのもしく思わせておいてあてにならないような。ここでは、空が明るいので月が出ているのかと思いきや、雲に隠れて全然見えない様子を言う。
[今宵は十五夜なりけり] 2021.09.21
思ひやれば雲居のよその夜半の月なほ九重に霧や隔てむ
[今宵は十五夜なりけり] 2021.09.21
播磨なる須磨の浦風吹きさえて雲間ほのけき夜半の月影
源氏物語の「須磨」の段において、須磨に隠棲していた光源氏が、十五夜の満月を見て涙と共に歌を詠む場面があります。上二首は、藤壺の中宮から光源氏へ贈られた和歌と、この頃源氏が滞在していた須磨の地にちなんで詠歌しています。
[秋月] 2021.09.21
ながむれば山べのあなたほのぼのとたなびく雲や秋月の空
[照月/涼月] 2021.09.21
風吹けば袖ぞ涼しき 深山路の木の間さやかに照る月の影
秋月・照月・涼月の三艦娘の名より詠歌。
とりあえず、今回はここまで。もう少し充実したnoteにできたら良いのですが、まだノウハウが足りません。試行錯誤しながら学んでいこうと思います。
和歌アーカイブは、引き続き今後も続けていきます。
2021.09.22 御茶ノ水 啓太郎