読書感想 「贖罪」 -湊かなえ

読書のきっかけ

長らく本を読まずにSNSばかりしていると140文字以上の文字を読むことがつらくなってきて,,

これはまずいととりあえず小説を読んでリハビリすることに.

中学生くらいの時には湊かなえさんが好きでいくつか作品を読んでいたなぁと.
ちなみに以下2点が好きだったポイント
 ・文体が一人称視点の話し言葉で読みやすい
 ・いろんな人の視点から物語が展開され感じ方の違いを楽しめる

リハビリだからまずは読んだことあるけど話は覚えてない,くらいのものからチャレンジしようと図書館にあった湊かなえさん作品を読んでみた.

概要

メインキャラクターは5人

小学生の時にとある田舎で起きた殺人事件.その発見者だった4人の女性と殺された女の子の母親.

事件発生から15年後が物語の舞台.
15年経過後にどのように過ごしているのか,事件当時,事件後のことをどのように感じているのかがこの5人それぞれの視点で描かれる.

感想

ジャンルを調べると推理小説,と出てくるけど,こういうのって推理小説というのかな?とは思った.
犯人の目星はすぐにつくけど,何か証拠があってとかではなく,描かれ方で分かっちゃうメタ推理になってしまう..

推理を楽しむようなものではなく,各々のキャラクターの心情を楽しむものだなぁと.
同じ事件で同じように発見者となったのに,元々の性格や家庭などの背景の違いから事件への思いやその後の行動が全然別物になっていること.
でもそれぞれがそれぞれの形で事件に縛られているところ,など.

最後の贖罪,は綺麗にまとめたと感じる.
ただの発見者だった当時小学生の彼女らに贖罪を求めるのは行き過ぎだろう,と思いながら彼女らの苦しみを読んできたけど,被害者の母親視点を読んだ後だと,確かにその点においては彼女らの罪かもなぁと.
それに気がついて向き合えたことは良かったなと.

個人的には2章目主人公の真紀が好き.
理不尽な周りに対しての敵意を隠す気もない語り口が小気味良かった.


余談

読むと嫌な気分になるミステリー、後味の悪いミステリーのことをイヤミスと言うらしい.湊かなえさんはイヤミスの代表的な作家とのこと.
確かに久しぶりに読んでみると事件の内容が全体的にだいぶんえぐくてちょっとびっくりした.

そもそも子供が事件に巻き込まれる話って結構人を選ぶよなぁ.


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