読書感想 「贖罪」 -湊かなえ


読書のきっかけ

読書リハビリの一環で読んだことある作品を読み返してみようと,湊かなえさんの作品でその時図書館にあったものを借りてみた.

話は覚えていなかったけど読んだことはあるはず,,

概要

3章+1章の構成
各章独立した,一つ100ページ程度の短編.最後の1章は軽めの後日譚のような感じ.

各章手紙のやり取り,という形式で話が展開される.
各章に別に大きな話のつながりはない.

1章:十年後の卒業文集
2章:二十年後の宿題
3章:十五年後の補習

感想

ネタバレを避けたかったのであらすじなども読まずに読み始めたら,最初の1章で話終わっちゃった!この後どうなるの?って思って次の章を読み始めたら全然違う話が始まってびっくりした.

同作者の「贖罪」を以前読んだ後に,湊かなえさんはイヤミス(=読んだ後に「嫌な気分」になるミステリー小説)の代表作家というのを聞いてなるほど,と納得したけど,今回のこの往復書簡は比較的全体的に明るい話に感じた.
全体的に事故よりの出来事だったからかも.

湊かなえさんの特徴のいろんな人の視点で語られる,というのが今回も上手に生かされていたと思う.
手紙だから語られている内容が全て本当とは限らない,本音で話していたとしてもあくまでその人の視点でそう感じただけでそれが事実とは限らない,というのが手紙のやり取りを繰り返すことで浮き彫りになっていくのが面白かった.

手紙という形式なので結構すぐ視点が変わるのも,集中力のない身としては読みやすくて良かった.

余談

 湊かなえさんのWikipediaをみると青年海外協力隊隊員としてトンガに赴任したことがあるらしい.

4章で少しだけ触れられる,ガリバー旅行記の巨人の国のモデルになったT国というのが,どうやらトンガのようなので,この辺りは実体験をもとに書けたところなのかなとか.

ちなみに3章で舞台になっている極楽鳥が有名なP国はパプアニューギニアっぽい.

海外協力隊,ということで勝手にアフリカの国を想像して読んでたのだけどオセアニアの国だった.

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