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#ハンナアーレント

悪を防ぐためには思考の能力としての理性を鍛える活動である哲学が必要である(カント) 思考の能力とはわたしたちが世界から意図的に離脱するための営み。日常生活では何の役にも立たないもので、その結果生み出される思想はかなり自己破壊的なものでもある
#ハンナアーレント #責任と判断

ロックやその後継者が労働はすべての価値の起源でこれほどまでに頑固に労働にしがみついていたのはなぜなのか?…
労苦と満足感は互いに密接に結びついて交互に生起する。労働の祝福はこの点にあるのである。富があっても労働を奪うことは生きていることからくる基本的な幸福感を台無しにしてしまう

土地を収用された労働する動物が私的になるのは公的領域から隠れ保護されるべき私的な場所を奪われているからである。マルクスは「社会化された人間」は労働に費やしていた時間を趣味のような本質的に無世界な活動力に費やすだろうと予言した。(※共産主義/社会主義社会では全ての職業が趣味となる)

自然:衰退と成長を繰り返すことにより人間の工作物(生産物)の中に侵入し、その世界を人間が使用できないようにしようとする
→労働:自然に逆らって世界を保護し保存する終わりなき闘い。自然によって荒廃された工作物の世界を毎日新しく修理する努力が苦痛なのは「反復」しなければならないから

★生産物の世界の程度は、その「物」の”永続性の程度”に依存している
★人間事象の事実的世界全体は、
1)それを見て、機器、記憶する他人が存在すること
2)触知できないもの(活動、言論、思考)を触知できる「物」に変形すること
によって初めてリアリティを得て”持続する”存在となる

★古代の奴隷:人間生活の条件(=必要)を取り除こうとする試み

★思考=生命:知的労働=肉体労働
考える≠仕事すること

アダム・スミス「社会の中で最も尊敬すべき地位にある労働は価値創造しない」僧侶、弁護士、医者、文人など仕事が生産された途端に滅びてしまう

★政治との関係性:善/lonely>知/solitude
-善行が公に現れると善の性格(ただ善のためにのみ為される)を失う
マキャベリ「いかにして善人たらざるべきか」
…教会が世俗問題に加わり頽廃的政治勢力と見なした
宗教⇔世俗(公)=互いに腐敗し合うor宗教が公を滅ぼす

★必要(必然)と生命の深い結びつき
「国家は共通の富のために存在した」
「(私的)財産がなければ共通なものは役に立たない」byロック

近代以前:労働者は隠すべき私的領域へ
近代:労働者は共同体から隔離され監視される存在
→リモートワーク:生命-必要のため再び労働者は私的領域へ

公的とは?
1.公に現れるものはすべて万人によって見られ、聞かれ、可能な限り最も広く公示されるということを意味する。
2.世界そのもの。人間の工作物や人間の手が作った製作物に結びついており、この人工的な世界に共生している人びとの間で進行する事象に結びついている。

ギリシャ時代(政治的)→ローマ時代(社会的)
・私的領域=家族vs公的領域=政治
・ギ:ポリスでは言論だけが意味を持っていた
・私的領域を犠牲にし都市国家/公的領域が勃興
・ギ:生命過程維持だけを目的とした行動は政治的領域に入ることを許されず