#3-1#空飛ぶゴキブリ。ゴキブリ根性で生き抜いていこうぞ自分。って今思うとゴキブリ根性だけど、当時はとにかく現実逃避してました。(貧困幼少期からNPO代表理事までを100日で振り返る)
過去から今への振り返りnote100日投稿チャレンジしています。
昨日は幼少期。
今日は小学生時代に戻ってみます。
母子生活支援施設という環境
皆さんは母子家庭支援施設という場所をご存知でしょうか?
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/04.html
ここは、母子家庭の方だけを対象とした施設があります。
私の物心ついたときにある住居はここからスタートします。
18歳までの子供を養育する母子が一つの大きな寮のような施設にすんでいました。2021年7月、母子家庭支援施設の子供たちにヘリコプター体験を希望者にプレゼント(協力:航空写真家チャーリィ古庄さん、匠航空さん)したのですが、それは、自分の経験からくるものでした。
<当日の様子 9:20あたり、子供たちの変化是非見てみてみてください>
経験は、人生を変える力がある。今は自分の望むものとちがったとしても、さみしいときがあったとしても、きっと何かに繋がっている!
当時の廊下を隔てて2室貸して頂き、住んでいました。
部屋には単身用のようなミニキッチンと冷蔵庫そして、押し入れがありました。洗濯機はみんなで共用。
建物に風呂はなく、近くの銭湯で入る暮らしでした。
世間では少数派と言われる離婚をした母子家庭も、その寮では全員なので、寂しくなかったのですよね。
みんなお父さんがいないということが前提であるので、「お父さんがいないの?!」と驚かれることもなければ、お父さんを自慢するような意地悪する人もいません。
『かわいそう』『お父さんがいないなんていやや・・』
子どもって時に純粋に猛烈にえぐるような一言をいいますよね(笑)
悪意はない。ただし、刃物のような鋭さあり。
ささいな一言がえぐるときがある。
沢山の人に、可哀そう、大変、お父さんがいないなんて不憫(ふびん)・・
色んな表現の言葉を貰うから、
状況をよくわからないけど、かわいそうなんだと思い始めたのはこの時期
当時に私はいまいちよくわかっていなかったものの、そこに住む母子の人生はテレビドラマのような話が多かったように思います。
・旦那さんがヤクザで逃げてきた母子
「おばちゃんの旦那さんはヤクザやったんや」って普通に子供に言ってくれるのです。
「ヤクザってなに?」って聞くと「そやなぁ。いうたら怖い人や」とかわかるようでわからない世界です(笑)
何が怖いのか?どう怖いのかは教えてくれず・・
服からみえる肌に入れ墨が入っているお母さんも何人かいましたが、その理由もわかっていませんでした。
・兄弟がいるけど全員お父さんが違う母子
「〇ちゃんところはお兄ちゃんとかお姉ちゃんいていいなぁ」
『うちの家な、みんなお父さん違うねん』
こちら、普通の会話で話すのです(笑)
今思うと少し複雑な面があるかもと思うようにもなりますが、当時は何も感じない。ふーん。そうなんやぁと答えてました。
お父さんが違う事の意味がよくわかっていないのです。
5歳が5歳にしれっと日常会話で話していた会話はかなりゴシップより強烈だったがします。
「なんでりこんしはったん?」
『お父さんがなぁ、おかあさんを殴ったりしはるからやねん』
・・・・・・子供はそのまんまを見て話すのです。
多様性を受入れるってきっとシンプルで、何も思わないのだとおもいます。複雑にするのは思い込みですね
子どもながらにそれが珍しいのかもわからないけど、母が他のお母さんたちと笑って話している姿がなんか楽しそうだと思っていました。
千客万来 真夏の悪夢
当時住ませて頂いた施設を久しぶりにネットでみるときれいな施設になっていました。
私が住んでいた当時の建物は部屋は古く、敷地内の建物周りはまだ舗装がされていませんでした。
冬はいいのです。寒いけれど、乗り越えられるから。
一番つらいのは、夏です。暑いのと同時に、大量発生する彼らがいるから。
今ほどゴキブリ対策の商品も少なく、網戸もない・エアコンもない舗装もされていない環境の部屋には、ゴキブリが大量発生していました。
祖母にゴキブリが沢山出るのだと話すと、祖母はぎゅっと眉間にしわをいれて「ほうさんダンゴをおいておきよし」というのでした。
私はなぜゴキブリが多い事と、だんごとの関係性がわからず、(そんなゴキブリが食べるだんごなんておいたらもっと寄ってくるやん・・こわいわ・・)と思っていました。無知ですね(笑)
部屋の冷蔵庫ですが、暑い夏の冷蔵庫の冷凍庫を開けると開けた瞬間に四方八方から黒いものが走っていくのです。
いうなれば、漫画のフラッシュです。
四方の線のように飛び出すのは、全てゴキブリです。
「まっくろくろすけでておいで♪」というとなりのトトロのワンシーンがありますが、あれがゴキブリで再現されるようなものです。
可愛いとかそういうのはありません・・黒い大群がそこに確かにいます
出てこないで・・ゴキブリと毎日願っていましたが、毎日発生しました。
毎日ごきぶりホイホイが一杯になるので、何匹捕まったのかを確認していました。(こわがっているわりに一杯になるのは嬉しかったようです(笑))
ゴキブリホイホイは黒い訪問者で毎日満員御礼
空飛ぶゴキブリ(学べ!生き抜く力)
当時のゴキブリは猛烈に生命力が強く、壁を上りそこからダイブしてこちらにめがけて飛んでくるツワモノが多くいました。
ゴキブリ・・羽根拡げるんですよ
(ぎゃーーーーーー!!!)
母はいつも戦ってくれましたが、私には黒いものが飛んでくるだけでも恐ろしすぎて、戦うゴキブリが出た時は、いつも廊下で退治した連絡をまっていました。
廊下で座っていると近所の他のお母さんたちに聞かれるのですね。
『どうしたん?』
「ゴキブリが・・・出て・・とんで・・怖い・・」
すると、
『あはははは!!!まぁ怖いわな。ゴキブリぐらいどーってことない。人間の方が怖いでー』と
大笑いして部屋に帰っていくのです(笑)
(いや・・・・怖いやろ。。。。)
小学校の私はとにかく人前でしゃべることもできないおとなしい子供でしたので、言い返すこともできないから、ゴキブリも、大笑いして終わらせる大人も何となく怖かったです。
それでも、この人間の方が怖いというのは、のちに思うことです。
欲しいものも買って貰える暮らしでもないので、
毎日の銭湯の帰り道にちょっとしたアイスクリームを買って貰えることは嬉しいたのしみでした。(60円とかでした)
ただ・・冷凍庫を開けるのは猛烈に怖い・・・という暮らしでした。
今思うと母は強し。どのお母さんたちも、いろんな経験をしてその場にいたから、きっとちがうところでは辛い時もあったのだろうと思います。
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ささいなことで人生は変わると信じています。
それは、人生の大きな決断の手前にあるキッカケになるのではないかと。節目を思い出すと決断の前には、ささいなキッカケがあったからです。見て下さったあなたの何かのキッカケになればと思って綴っています。
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