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【冬の茶室が好きな理由】
炉のぬくもりと共に、ときおり聞こえる「ぱちぱち」と炭が燃える音。
冬に合う厚手の茶碗に点てられた一服を、静寂なひと時と共に味わう冬の茶室。
冬の茶室といえば「炉」
畳に切られた炉の中には、何度も洗い、漉し、天日干しを繰り返して仕上げた「灰の粉」が丁寧に敷き詰められ、その上に炭で温められた鉄製の釜が置かれます。
こうして手間ひまかけて沸かした湯で点てる一服は、一味も二味も違うものですね。
「畳の部屋」
今の時代の家は、畳の部屋も少なくなり、家に和室が無いというお宅も多いのではないでしょうか?
茶道をされている方で、いざ自宅に「炉」を作ろうと思って畳を開けてみたら、下はコンクリートになっていて掘る事ができず、畳自体を一段上げて炉を作ったというお話を聞いた事があります。
筆者も現在は東京の仮住まいに居住中の為、手を加える事は出来ないのですが、いつの日か自宅に自分でデザインした茶室を持つのが夢です♪
祖父が工務店を営んでいたこともあり、私が育ったのは、昔ながらの日本家屋。洋室は一室のみで、ほかは全て和室でした。
縁側や床の間、掘り炬燵に神棚、池のある庭があり、離れには住み込みの職人さんが暮らしていました。
祖父自身が建てたその家での暮らしが影響してか、家やインテリアへの関心が自然と深まり、茶道を本格的に初めてからは、特に茶室に惹かれます。
先週のお稽古では、みなさんのお点前を拝見しながら、釜から柄杓でお湯を汲み、お湯が溢れないよう柄杓を水平にゆっくりと茶碗まで移動させる時に、柄杓から0.3秒ほど遅れて湯気がゆったりと動作を後追いするのを無心で眺めながら、どんなヒーリング音楽も動画も叶わない「癒しの風景」を目で追い、「寒いから、今日はお稽古に行くのやめようかな」と思ってしまった自分を戒めました。😆
季節毎に炉の位置とお道具の組み方、床の間の掛軸や茶花が変わり、飽きる事なく日本の伝統文化の美と芸術を楽しめる茶室。
暖かくて、どこか懐かしく優しい、冬の茶室が一番好きです。
まだまだ寒い日が続きます。
暖かくして引き続き楽しい三連休をお過ごしください♪
禄ROUるう
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