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#4 『オデッセイ』/最悪の状況に陥ったとき、あなたならどうする?
火星にただ一人置いてきぼりにされたら、あなたなら死を覚悟しますか?
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あらすじ
火星に一人取り残された宇宙飛行士、ワト二-の科学と知恵のサバイバル。
酸素や食料、地球との交信手段などあまりにも絶望的な状況から生きるために模索していく。
彼の立場になったら誰もが地球への帰還を諦め、死を覚悟するはずだ。
しかしワト二ーは決してあきらめない。
持ち前のユーモアと科学知識を駆使し、生き延びていく。
火星にひとり取り残された宇宙飛行士のサバイバルを緻密な科学描写とともに描いた、アンディ・ウィアーのベストセラー小説「火星の人」を映画化。極限状態の中でも人間性を失わず、地球帰還への希望をもって生き続ける主人公マーク・ワトニーをマット・デイモンが演じ、「エイリアン」「ブレードランナー」などSF映画の傑作を残してきた巨匠リドリー・スコットがメガホンをとった。火星での有人探査の最中、嵐に巻き込まれてしまったワトニー。仲間たちは緊急事態を脱するため、死亡したと推測されるワトニーを置いて探査船を発進させ、火星を去ってしまう。
感想/絶望を受け入れる勇気
孤独や困難、あらゆる危機を持ち前のユーモアで乗り越えていき、観ている人に絶望を希望へと変える力を届けてくれる。
地球上の70億人が彼の帰還を見守るハラハラドキドキの救出劇は瞬き禁止だ。
火星という過酷な環境で前例のない挑戦を何とかやってのける。
「絶望の淵で生き延びるために奮闘する男」の姿は、人類に希望と可能性を与えてくれる。
この作品を単なるSFサバイバルとして捉えることもできるが、
もっと根底にあるのは
【困難に直面したとき、人はどう生きるのか】だ。
ワト二ーは、自分が置かれた状況を嘆かない。泣き叫ばない。
ただ目の前にある「問題」を一つ一つ解決しようとする。
・酸素が足りない?→CO2を分解する装置を改造しよう。
・食料がない?→火星の土と人間の排せつ物を利用してじゃがいもを育てよう。
・通信手段がない?→旧型の探査機を掘り起こし、NASAとのコンタクトを試みよう。
感情的になる時間があれば、
その分【できることを考える】
まるでゲームの攻略法を見つけるように、火星という絶望的な状況を突破していくワト二ーの姿は観る者に強いメッセージを残す。
辛い状況でもそれを打開しようとする勇気
何事も楽観的に考える勇気
死ぬこと以外かすり傷を体現した勇気
そのすべてを教えてくれる。
【最悪の状況に陥ったとき、あなたならどうする?】
生きていれば、誰にでも「絶望」を感じる瞬間がある。
試験に落ちること、大切な人と別れること、
そのとき、私たちはどうするべきか?
ワト二―のように
「問題を細かく分けて、一つずつ解決する」ことができるだろうか。
目の前の困難を、「乗り越えられるもの」として捉えられるだろうか。
この作品は、火星の壮大な映像やSF的な魅力以上に、
「問題解決の思考法」と「生きることへの前向きな姿勢」を私たちに教えてくれる。
そして何より、どんな絶望的な状況でも、ユーモアを忘れないワト二―の姿に、ふと勇気をもらえる。
あなたなら、火星に一人残されたとき、どう生き延びる?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも『オデッセイ』に興味をもっていただけたら幸いです(^^)