映画『マッチング』の感想【ネタバレあり】
Snow Man が好きなので、映画マッチング観てきたんですけど、怖すぎる。
めちゃくちゃこわい。画的にもこわい。
観終えて色々思ったことがあって、でもネタバレだな、と思いつつふせったーに書いていたら、なかなかの文字数になったのでここにあげます。
映画1回しか見てないのと、小説未読なので、粗相があったらすみません。(記憶違い、小説に答えあるのに自分が考察思いついたかのように言ってる、など)
・「この映画、リンカにとっての地獄!」って書くと、私が感じた「そういう話なの?」っていう意外性を奪いそうなのでここに書きました。
あらすじから思いつく展開、吐夢が怖ストーカーだと思ったら実はいい人そうな影山の方が…くらいだと思うじゃん。思ってた。
もっと怖い人いた。もう脈々と受け継がれる狂気。怖いよ。
・みんなきょうだいやんけ。
・節子が家に押しかけて来た時に、いたじゃん、少年…!!あれ吐夢かと思った!
でもヨシキにとっては影が薄くて記憶にあんまないんだろうな、ってのを感じる映像の撮り方だった。
狂気の女が大事な娘にそんなにベタベタ接触してるほうが、怖いもの。
リンカ、なんでこんなこと忘れてたんだ…部屋に絵まで飾ってあるのに…2回も会ってる父親の不倫相手…「この赤い女、母じゃないな」ってならなかったか…?
・吐夢と影山って繋がってるよな…?と思ってるんだけどどう?
だって夫婦の殺し方が細部は違うけど基本的に一緒なのはなぜ?
リンカをアパートから救い出した時。まずタイミングが良すぎる(映画だからね…)正当防衛で影山のこともっとボコしてもよかったのに。なんなら邪魔だから包丁持ったついてに消してもよさそうなのに…リンカと一緒になれるのに罪を犯したら逮捕されちゃうからっていう理性はあったのか、それとも…
だって二人ともあれだけのストーキング力調査力あるのに、自分の数少ない身内である兄弟の存在、お互いの存在に気付かない訳なくないか。目的にたどり着くためにあらゆる手を使うのではないか。少なくとも「あなたに兄弟ができるのよ」と言われた影山は、弟か妹がどこかにいることを知っているわけだ。
お互い対峙した時、利害が一致してたら、ありえなくないと思うんだが。
・そういやあれどう説明したんだ、背中刺されたリンカの父。リンカ母にはその時に本当のことを言ったのか?
ちなみに子どもの目の前で包丁振り回してたら、それは普通に虐待に当たります。自分の腕切るのも。
・吐夢、やっと見つけた実の母親に背中刺されてまでいい人を演じて、リンカに執着してるってことなのか…?もう色んな人が言ってるけど最後の表情が怖すぎた。
…え、どうする?ママもグルだったら。ないか。それはさすがに。
・待てよ、「気付いたの、この女(リンカの母)を愛することは、ヨシキさんを愛することなんだって」(リンカの母=ヨシキが愛した女)ということは、
吐夢にとってリンカを愛することは、母が愛したヨシキという男の遺伝子を持つ者を愛することであり、それは会ったこともない母を愛することでもあり、自分が本来愛すべきはずだった家族を愛することになる、ともいえるのではないか…?
だめだ、考えすぎな気がしてきた。
・最後、取り調べを受けてる影山の受け答え、子どもっぽくなかったですか?ランドセルを背負ってた頃に、母が苦しむ姿を見ていることしかできなかった頃に、愛することの強烈さを知った頃に戻ってしまったかのような…気のせい?
影山の父親ってどこ行ったんだろうな。奥さんあんなだから別れたのか、別れてからああなったのか…
・影山のことは一応育てたのに、吐夢は最初からコインロッカーに棄てられている。
吐夢を産んだ時には、「ヨシキとの間に生まれた子を育てること」よりも、「ヨシキが愛した女」に執着が向いてしまったのか… どうしてそんなにヨシキに狂ってるんだ…何がそんなに良いんだ。
吐夢って戸籍ちゃんとあるのかな…(どうしても現実的な所考えてしまう)
・とっ捕まえてきたヨシキの嫁に、自分が好きだった赤色を着せる。自分が一番辛かった時の服。自分が負った痛みを全部味わわせてやろうか、という気概の現れでしょうか。脚あれで生きれるんだ…死なない程度に、苦しめてるんだろうね…
同じような年齢だったとは思えないほどやつれていて、つらい。最初は抵抗だってしただろうに。我が子の元に帰りたくても、帰れなかったんだ。
娘と再会して、やっと娘の名前を呼ぶことだけはできるようになって。
・ミスリードが上手すぎる。山奥の家、赤いカーテン、たくさん育ててるクローバー、序盤で手紙を読んでニヤリと笑った女…その家の主の物だと思うじゃん。主は普通、介護されてる側じゃん。あの手紙の内容からしたら吐夢の母親のだと思うじゃん。
「違った~~~~~!!!?!!?!?」
あの瞬間が一番やられたと思いましたね。
そう、手紙。最初に出てくる手紙。
母さん、ついに見つけたよ。と、運命の女を見つけた喜びの報告ととれる文章。
しかし「あの女」っていうのが引っかかった。
運命の人を、「あの」呼ばわりするか?
「あの女が最後にどんな顔をするのか楽しみだね」みたいなこと書いてあったよな??ん???
って思ったことも忘れるくらいの展開があって。映画観終えてから手紙のこと思い出した。最初思ったのと全然違うじゃんって。
ゾッとした。
・夫婦の死体を鎖で繋いでるのは分かるんですが(分かるんですが???)、どうして顔に×をつけるんだろうか。時間かかるじゃん。犯行が終わったらはよ現場からは逃げたほうがいいて。
事件をセンセーショナルにして、本来の目的を分からなくするため…?本来の目的というのは「影山は猟奇的殺人や明らかにおかしな奴に見えるストーカーから守ってくれた人」という構図を作り、リンカに心を開かせることだと思ってます。影山と吐夢はグルだと思ってるので。
・吐夢の服が常に黒いのだって絶対返り血を目立たなくするためだし、夜の闇に溶け込んで逃げるためだし…(だとしたら髪色は明るいのが気になりますが…)
もしかしたら特殊清掃の仕事してるのだって、臭いを、目立たなくするためだったり…しないか…?
(影山はなんでバレなかったんだろう…)
・じゃあ、リンカの信用を得ても、どうしてアプリ婚夫婦殺しをやめないのか?
多分、リンカと吐夢はwill willで知り合ったカップルの1組、ゆくゆくは狙われるかもしれない側という認識をされている方がよかったから、少なくとももう1件起こしたんじゃないだろうか。「犯人は影山だ!逮捕して一安心」と思われたところにもう1件起これば、「犯人誰だよ!?」となるから。リンカの周りが危険な状態の方が、吐夢が側に居る理由もできるし。まあその隣にいる人、犯人ですけど。
・てか吐夢、仕事中に拾った指かなんか写真撮ってから袋に入れてなかった?あれ何?文字通りの悪趣味?
・思いついてしまった今後の最悪の展開、「実は吐夢が既婚子持ち」。
親と同じ苦しみを味わわせてやろうというならそうなるかな、と。もちろんちゃんとリンカが吐夢を好きになってくれないと成立しない復讐ではあるのですが…ついでにリンカと吐夢の間に子どもができてからこれが発覚すると尚地獄度が高まるな…もうやめて…
ここから吐夢とそんな関係深められるのか?ってのはあるし、こんな酔狂なことに人生懸けて付き合ってくれる女がいるのか?っていうのと、第一それに付き合わされてる子どもの気持ちは???っていう話になってくるのでやめてほしいですが。普通に。これ以上やめて。
あ、待ってリンカと吐夢お父さん一緒だからだめか…?
・ていうか、
影山は「大事な母親が目の前で壊れていくことの苦しみ」があって、
リンカも母親がいなくなった苦しみがあって、
節子は子どもの前ですら狂ってしまって、
リンカの母も家を出てくことにして、
吐夢は棄てられてずっと独りで。
こんなことになったのってそもそもヨシキと節子が出会ったからで…
不倫なんかするもんじゃないわよ!!!
結局、何が怖いって結局生きてる人間が一番怖いんだよ…とありきたりの気持ちになりましたとさ。
ついでに、オタク視点でもちょっと書いておこう。
佐久間くん、すごいよマジで。
中の人が佐久間大介なのに、あんなに目に光がないのおかしいよ。
金髪なのにあんなに暗い雰囲気出せるの、すごいよ。
「ボソボソ喋るキャラなのに、聞き取れるからすごい」って色んな人が書き込んでたけど、本当に聞きづらいとこなくてすごいよ。
なんでアプリ用の写真はまずまずなのに出会ったらあんなドン引き男なんだよ。あんな写真撮れる関係性の、あれ撮ったの誰だよ。
じわじわヤバいとこ出てくるのかと思ってたけど、最初っから独自の世界観すぎて、こりゃあ…となったよ。
ただね、
見てる間は全然それどころじゃなかった
中の人を思い出したのは、「警察です」って偽って喋ってる時と、最後にピンクのシャツが出てきた時くらい。
てなわけで。
映画マッチング、すごい!!!
~完~