スキになる 5
赤ちゃんの頃の私たちは、
どこまでも広がっていく感覚の中で、
その広がりを確かめるようにして、
今ここにいる「自分」を確認していっているのかもしれない。
そんなふうに想像すると、不思議な気持ちになる。
その営みはまるで「どこまでが自分なんだろう」という、
無垢で純粋な模索のように思えるからだ。
まるでこころのヨチヨチ歩き、のような。
まだ自己認識というものが育まれていないというか、
自己認識という「名詞化」ができていない存在としての赤ちゃん。
その思考を大人は脳科学的なデータをもとに想像することしかできない。
そこで想像だけで言ってしまうと、
大人と同じだけの数のあるニューロン(脳の神経細胞)を
バリバリと結合させていってる途上の赤ちゃんたちは、
もうシナプス(細胞同士の結合部分)ができあがってる大人たちとは
まるで違う世界を認識してるのじゃないかと感じられてならない。
「意識」のようなものが体感しているその世界は、
時空すら超えてるのではないか、とさえ考えてしまう。
直線的で時系列や空間に縛られたリニアーなものではない、
時も波も物も同時に存在したり飛躍したりするクォンタムな世界。
そこを出発点として私たちはみんな、
「スキ」を見つけていく旅に出たんじゃないだろうか。
続きは次回
若い頃に希死念慮で苦しんでいた私は自殺未遂とうつを繰り返してきました。でも人生は苦しむためにあるのではない、という当たり前のことを心底感じられるようになった今、自分にできることをしたい。あなたのサポートがそれを後押ししてくれます。一緒にこの世界を輝かせていきませんか?