ストローマグと、夏の味
ごくごくと のどを鳴らして お茶を飲む
きみのうしろに はつ夏の空
息子おもちくん、ストローマグを、突然使えるようになった。
半年ほど前、本退院して少し経った頃、いそいそと用意して使わせてみたら全く使えず、食器棚にしょんぼりと置かれていた、フタを押すと液体の出るストローマグ。
『そろそろ、トロミを減らしつつストロー練習に繋げて行けたらいいかも』
というSTの先生の言葉に、久しぶりに引っ張り出してきたストローマグに、お茶ゼリーでなくとろみのお茶を入れ、押してみたら出ることを確認し、おもちくんの口に含めてみた。
最初は『なんじゃこら』という顔をしていたが、ストローのシリコンがおしゃぶりに似ていたこと、口に大好きなお茶が入ってきたことで、すぐにストローマグを愛でるようになった。
そして、おもむろにフタを押す手を離してみたら、
自分でチュウチュウ吸うのだ。
チュウチュウ吸うと、中身は少しずつ減っていく。
おもちくん、半年越しに、急にストローマグを使えるようになった。
突然のお茶ゼリー卒業と、ストローマグデビュー。
しばらく燻っていたかと思ったら、三段跳びのごとく、準備が追いつかない速さの成長に、母は嬉しい悲鳴である。
5月もなかごろ、日はじりじりと暑く、冷たいお茶の美味しい季節である。
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