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尿漏れはなぜ起こる?

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
中年期以降の男女の悩みとして多く挙げられる「尿漏れ」。
「尿漏れってサプリメントやパッドを使うしか無いですかね?」と言うご質問がありましたので、一般的な内容としてまとめてみました。

同じ対策が「痔」にも効果的なので、悩んでいる方や興味ある方は、ご紹介したトレーニングを是非やってみてください。

【尿漏れはなぜ起こる?】

尿漏れは「腹圧が弱くなったから」起こるとして、尿取りパッドや薄型オムツで漏れに対処したり、抗コリン薬と言う筋肉収縮を抑える薬で、膀胱が勝手に収縮するのを抑制したりします。

実は「尿漏れ」と言う現象にはいくつか要因があり、膀胱の筋肉が緩みにくくなり、少しの尿量で尿意切迫感を感じてしまうと言う要因と、尿道括約筋がしっかり締まりにくくなることで、穴の空いたバケツの様に、ある程度尿が溜まると腹圧で尿があふれ出てきてしまう、と言う要因があります。

本当に筋肉が働かなくなると、普通は尿が出せなくなります。膀胱を支配する脊髄より上のレベルで脊髄損傷になった方は、自己導尿したり腎瘻を作成してバッグに尿を貯める様なことが必要になるくらいです。

【尿漏れ予防の方法とは】

一度尿漏れになるとオムツや薬を使うしか無いと言うのが医療の対応ですが、予防医学的に根本原因を上記の様に考えると、膀胱の緊張したままの筋肉を弛ませることと、括約筋を意識して使い尿道括約筋の締まりを改善させることが予防や症状の改善に大切なことが分かります。

そんなことが出来れば医者は要らない、と言う人もいますが、使う頻度や強度が減り弱った筋肉は、たとえ80歳や90歳になっても鍛え強化することが出来る、と言うことは周知の事実ですし、脳神経的な異常がある場合は別にして、過緊張した筋肉は抗コリン薬を使わなくても、自律神経のバランスを整えることで緩めることが出来ます。

【瞑想(深呼吸とリラックス)】

筋肉の過緊張を弛ませる為には、瞑想によるリラックスがとても有効です。ココで詳細は書きませんので、ネットで調べてみてください。自分ひとりで困難な人も多いでしょうから、知識と経験のある人に誘導や施術をしてもらうのも良いでしょう。

【ムーラバンダ(骨盤底筋群トレーニング)】

そして尿道括約筋を鍛えるには、日々締めたり緩めたり意識的にするトレーニングが有効です。古くからヨーガの修行手技にある「ムーラバンダ」は会陰部の、現代で言う「骨盤底筋群」を意識的に締めたり緩めたりを行うことで、生命エネルギーを活性化させると言われています。慣れない場合は「尿を我慢するイメージ」「便を我慢するイメージ」で行うと良いです。

この様に骨盤底筋群を意識的に締めたり緩めたりすることで、自然と筋肉周囲の血流が良くなり、性機能の改善や、肛門括約筋も同時に刺激されるので、直腸肛門部の毛細血管の血液障害によるうっ血や虚血が原因とされる、痔の改善にも効果的とも言われます。

一度尿漏れや痔になってしまってツライ症状に苦しんでいる場合には、現代医療的な対症療法をしながら、上記の様な対応をして改善を期待するのが良いと思いますし、その様な症状が無い時期から日常に取り入れると、尿漏れや痔の予防になるだけでなく、より長く若々しさを保てます。

【産後女性の悩み対策にも効果的】

特に産後女性は腹部周囲や骨盤底筋群が弱くなり、腹部のたるみや酷い場合には膀胱や子宮が陰部から落ちて来る下垂が起きることもあります。医療では「命を産み出した勲章」と捉えて付き合っていく、酷い場合は手術処置で対応する、と言うのが標準対応ですが、腹斜筋や腹横筋を含めたコルセットの様な筋肉は何歳でも鍛えれば強くなるので、適切なトレーニングをすれば回復できます。

とは言っても、
ジムでバーベルやダンベルを上げ下げする様なトレーニングは不要で、お腹を自分で縮め内臓を引き上げる様なイメージで、腹筋群を緊張させたり緩めたりを毎日無理ない範囲で行うだけです。やり方が分からない場合には、周産期対応されているトレーナーさんに教えてもらうのも良いでしょう。

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