最強の護身とは何か
こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
今回は健康や病気とは直接関係の無いお話しです。
「不慮の事故」による死は避けられない。って思い込んでいませんか?予測不能の突発事案が起きたからこそ「不慮の事故」であるわけで、そんなの避けようが無いじゃないか、と言う声が聞こえてきそうです。
「護身術」として、巷に数多ある「格闘技ジム」で競技ルール上の格闘技術を如何に高めたところで、相手を傷つける暴力を身につけることは出来たとしても、ルール無用のリアルファイトで生き残れる技術になることはほぼありませんし、ナイフ使いに素手で勝てる人は、警察官や自衛隊員にもほぼいないと言ってよいでしょう。
もちろん、事前情報が伝えられていれば、それなりの人員と装備をした上で、シールドで囲い込むとか遠距離から銃撃するなどの対策は取れるでしょうが、「準備と備え」が出来ていれば、の話になります。
しかし、現実に突発事案が起きた場合にどうなのか、と言うところを、警察特殊部隊OBで装備品開発やプロ向けの訓練を提供している会社が、日大危機管理学部で講義をした際の映像を見てみると、警察官や自衛隊員の様な十分に訓練を受けているプロでさえ、訓練とは言え多数の死者を出しますし、市民を守れない、と言うことが確認されています。
この切り抜き動画で紹介された訓練は、先日、軍事アナリストの小川和久氏の投稿シェアでお伝えした「レッドチーミング」とは意味合いが少し異なりますが、本気の訓練と言う意味では近いかも知れません。
そして、日頃から周囲にいる人や環境の脅威をチェックする癖をつける様にするとともに、違和感を感じたら安全な距離を取る、と言う当たり前のことが、実は一番の護身になります。その際に必要なのは、動画にある様に、格闘技スキルではなく、咄嗟に逃げられるだけの観察力や判断力と体力だったりします。
あとは日頃から最悪の事態を想定する癖をつけておくことで、思考や体が機能停止して固まってしまい、されるがままの傍観者になってしまうことを避けられます。動画の訓練でも自衛隊員や警官ですら、襲撃を傍観したまま犠牲になっています。
ならば、常に周囲を警戒しビクビクしながら生きなければいけないのか?と言うことになりますが、そういう訳ではありません。
バイオテロ、放射線災害などの対策や軍事などにおいては、環境の安全度に伴って、大きく3段階に分けて認識されることが多いですが、それを参考にして自分の周囲の環境がどの段階なのか、と言うことを意識しておくのも有用です。
呼び方が変わることがありますが、
・レッドゾーン(ホットゾーン):汚染区域、戦闘区域、高危険区域
・イエローゾーン(ウォームゾーン):低汚染区域、要警戒区域、中危険区域
・グリーンゾーン(コールドゾーン):非汚染区域、非戦闘区域、低危険区域
と言う感じのことが多いです。
そして、この様なゾーニングは常に揺らいで変化していることにも注意が必要です。上で紹介した動画の様な襲撃事案であれば、襲撃者の移動によりレッドゾーンは変化する、と言うのは分かりやすいのですが、定期的に再評価をする必要がある、と言うことです。
基本的に自宅などの安全確認がされている場所の外はウォームゾーン、怪しい人の周囲はよりホットゾーンに近い警戒をしておく、と言う感じですね。足場の悪そうな場所や倒壊しそうな物の近くも、警戒を強めておくべき場所です。自分なりのチェックで危険性は低いと判断出来れば、コールドゾーンに近い体制でも良いですが、警戒をゼロにしないことが大切です。
そして、周囲の状況や他人の感情や性格を評価する場合に、意外に大切なのが、リラックスした脱力状態を維持する、と言うことです。気功の修練において重要な「脱力」ですが、外からの刺激に反射的に緊張しない様な訓練を積むことで、相手の気を感じ取る様なことも出来る様になります。
とは言っても特別なことでは無く、「なんか嫌な感じのする人だな」とか「安心出来そうな人だな」と言う様な感覚が少し鋭くなる、と言う様な感じです。緊張して力みがあると、そういう感覚が鈍くなるんですよね。
健康長寿の為の生活習慣や環境改善も重要ですが、不慮の事故での死亡リスクを減らすと言う意味で、今回の記事の様な意識も大切です。
最近は日本国内も以前の様に安全では無くなっていますので、ぜひ出来る範囲で防犯意識を高めておきましょう。