草津温泉の湯宿「奈良屋」で贅沢でサプライズのある時を過ごす
結論から述べると,宿泊費はそれなりに高い(今回は1人3万円くらいだった)が,十分にその価値がある.温泉も食事も客室もとても良い.草津温泉に宿泊するなら,お勧めしたい温泉宿だ.
奈良屋の創業は明治十年.草津温泉の湯畑のすぐ近くにあり,白旗源泉から温泉を引いている.この白旗源泉は1193年8月3日に源頼朝が発見して入浴したと伝えられている.
今回のサイクリングでは,群馬県と長野県の県境にある日本国道最高地点の渋峠を越えるのが目的だ.スタート地点は軽井沢,ゴール地点は長野だが,途中,草津温泉で宿泊した.恐らくこれが最初で最後の草津温泉滞在だと思うので,思い切って高級老舗温泉旅館の「奈良屋」を予約した.
軽井沢から草津温泉への道程については,こちら(↓).
つまごいパノラマラインを通り,奈良屋には夕方に到着した.
自転車と共にチェックイン
奈良屋にサイクルジャージを着てロードバイクに乗って泊まりに来る奴はほとんどいないと思うが,自転車は2台まとめて玄関に置かせていただけることになった.
広々とした落ち着いた雰囲気のロビーでソファーに座りながら,お茶をいただきながら,チェックインの手続きを行う.
趣のある館内
玄関正面の階段を上がって客室へ向かう.この左手にフロントとロビーがあり,右手にカフェ&バー「喫茶去」がある.客室は5階「なでしこ」のフロアで,そこまでエレベータが上がる.
上質な客室
係の方に客室まで,そして客室内も案内していただいた.客室は525で,8畳の畳の間の奥に,テーブルの小間が続いている.2人で宿泊するには十分な広さで,上質な空間だ.このテーブル席で夜にお酒を飲んだ.
徳川将軍御汲上の湯:大浴場
「将軍御汲上の湯」との看板があるが,この将軍とは8代将軍徳川吉宗のことで,吉宗が草津温泉に来たわけではなく,ここの湯を汲み上げて,江戸に運んだらしい.草津温泉には複数の源泉があるが,ここは「白旗」の湯だ.奈良屋では,湧き上がる湯を敷地内の二つの槽で適温まで冷まし,泉質を落ち着かせてから,館内の風呂に引いている.
男湯には,内風呂と外風呂があり,ほぼ貸切だったので,とてもくつろいで温泉を満喫できた.温泉は硫黄.最高だった.
豪華でサプライズのある夕食
温泉を満喫した後,夕食のために食事会場へ向かう.個室だった.
席に着くと,係の方が食事内容についての説明をして下さるのだが,「サプライズもありますから楽しみにして下さい!」とのことで,食事に一体どのようなサプライズがあるのか,とても気になった.これについては後ほど.
料理については以下の写真を見てもらえれば分かるとおり,山の幸,海の幸,川の幸と,質量種類すべてにおいて満足した.
サプライズはこれだった.ガラガラガラと寿司ネタの載ったテーブルが部屋に運び込まれて,寿司職人の方が「好きなだけどうぞ.何でも仰って下さい」とのことだった.テーブルサイドでお寿司を握ってもらうなんて初めての体験だ.驚いた.まさにサプライズだ.
じっと眺めた末に,私は「全部を一貫ずつ」でお願いした.その結果が下の写真になる.これだけでもお腹がいっぱいになりそうだ.美味しかった.
このデザート(夏の庭にて)も素晴らしかった.抹茶餡の上に果物などが載っていて,それらを最中に挟んでいただく.最中の絵柄は上毛かるただ.
豪華な朝食
朝食も豪華だった.テーブルに並べられているものだけでも十分に豪華なのだが,さらに,出汁巻き卵が登場し,さらに,焼き立てのクロワッサンとパイナップルのバターが登場した.
お腹いっぱいで,渋峠を目指してヒルクライムする準備は,エネルギー的には万全だ.
冒頭に書いた通り,温泉も食事も客室も素晴らしく,大いに満足した滞在だった.もちろん宿泊料金は安くなく,今回は1人3万円くらいだったが,その価値は十分にあった.草津温泉に宿泊する方には,お勧めできる温泉宿だ.
この後,いよいよ渋峠を目指す.
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