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2024年9月の記事一覧

「百年の孤独」と乱痴気騒ぎ

とても長い話だった.ある町が誕生してから消え去るまでの百年史.そして,その町とともに栄えて滅びたブエンディア家の百年史.それぞれの孤独と乱痴気騒ぎ.乱痴気騒ぎと言えば,ゲーテの「ファウスト」を思い出すが,それとはまた随分と違う味わいだ. 物語の前半はなかなか興味が湧かず途中で読むのをやめようかと思ったほどだ.なにより,登場人物を識別するのが難しい.本書の冒頭に示されているブエンディア家の家系図がこれだ. 何世代にもわたって名前が同じとか,不親切にもほどがある. それでも

研究の面白さと辛さを感じられる「赤と青のガウン」

彬子女王殿下のオックスフォード大学留学記で,1年間の学部留学に加えて,大学院に進学して日本美術を専攻して博士号を授与されるまでの体験が描かれている.研究の楽しさと大変さが大いに感じられる体験記だ.是非,高校生や大学生に読んでほしいと切に思う. 宮家が海外留学すると護衛はどうなるのかとか,エリザベス女王にバッキンガム宮殿でのお茶に招かれたら服をどうするのかとか,とても興味深いエピソードが続く.これだけでも実も興味深く,読んでみる価値がある. しかし,本書「赤と青のガウン オ