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本の紹介・読書の記録

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2023年2月の記事一覧

「夜に星を放つ」を読んでコロナ禍の恋愛に想いを馳せる

良かった.5つの独立した短編からなる本書「夜に星を放つ」を貫くのは,夜の星空,あるいは星座.婚活アプリで繋がった恋人,夏の海で再会した幼馴染み,幽霊の母,隣の部屋に越してきたシングルマザー,継母と近所のおばあさん,コロナ禍を恨みつつ現代を生きる様々な登場人物が描かれている. 「不倫自伝小説「シンプルな情熱」を読む」にも書いたが,小説を読むきっかけを作るために,何かしらの賞を獲った小説を読んでみるようにしている.本書「夜に星を放つ」は直木賞受賞作だ.発表されてすぐに図書館で予

組織をダメにする「サイロ・エフェクト」をデータ一元化で叩き潰す

とても面白かった.組織における縦割りの弊害はよく指摘されるが,本書の「サイロ」とは,まさにそのような,周囲の組織と交流しようとしない組織のことだ.ただ,著者のジリアン・テットは,サイロを批判するだけでなく,現代の高度化した社会においてはサイロは必要であり,サイロをなくすのではなく,その弊害「サイロ・エフェクト」を解消しようと説く. 著者のジリアン・テットは,ケンブリッジ大学の社会人類学博士で,本書執筆時にはフィナンシャル・タイムズ紙アメリカ版編集長を務めていた.彼女の「An