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2022年9月の記事一覧

「大学は何処へ 未来への設計」で過去を学び未来を考える

この20年ほど改革を迫られ続けて今や疲弊の極みに達している,そして実際に論文数はガタ落ちになっている(それでも「改革が足りないからだ!」とか言えてしまう人達に囲まれている),日本の大学の将来を考える上で,まずは過去を知る必要がある.その観点から,とても勉強になった.というか,これまで知らなさすぎた. 著者である吉見俊哉氏は,現状を以下のように指摘している. では,1930年代以前はどうだったのか. 明治時代以降,旧制高等学校が,高等教育機関として,帝国大学を中心とする旧

「ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?」を通してテクノロジーと社会の関係を考える

ジーンクエストを創業した若き企業家&研究者が書いた本なので,題目の通り,ゲノム解析について書かれているのだが,それが本書の主題というわけではない.ゲノム解析に嫌悪感を抱く人たちや反対する医師たちもいる.テクノロジーで社会に貢献するという強い意志を持って起業した人達の中には,著者のように,思いがけない反発に遭う人も少なくないだろう.変化に対して不安を抱くのは人の常とは言え,それで社会の進歩が滞ってしまうのは忍びない.では,新しいテクノロジーが社会に受け入れられるためにはどうすれ