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大学・大学院・教育・研究のあれこれ

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#自己啓発

「自分を育てるのは自分―10代の君たちへ」

本書を最初に読んだのは10年以上前だが,当時,子供が中学生になったらプレゼントしようと思った.それほど素晴らしい内容で,これから自分の人生を歩んでいこうとする10代の若者に読んでもらいたい. 本書「自分を育てるのは自分―10代の君たちへ」は,教師であった東井義雄氏の,昭和55,56年に開催された2回の講演をまとめたものだ. 世界でただ一人の私をどんな私に仕上げていくか.その責任者が私であり,皆さん一人ひとりなんです. どうか自分の人生を大切にして下さいというメッセージを

新年度10!秒経過

5月12日は新年度42日目.今日が終わると,ちょうど10!秒が経過したことになります.10!秒はちょうど42日です.誤差なしです.  10! 秒 = 10 x 9 x 8 x 7 x 6 x 5 x 4 x 3 x 2 x 1 秒     = 3,628,800 秒     = 1,008 時間     = 42 日 ゴールデンウィークも終わりましたが,新年度になってから今までに成し遂げたことを振り返りましょうか.ボーッとしていると,このまま今年終わってしまいますからね.

経営者の条件 - 学生に読んでおいて欲しい本

原題は”The Effective Executive”であり,ドラッカーの著作であることから,これが「経営者の条件」と邦訳されたのだろう.だが,この邦題は誤解を招く恐れがある.というのも,本書の対象は決して「経営者」ではないからだ.組織において意志決定を行う知識労働者すべてが対象である. P.F.ドラッカー,「経営者の条件」,ダイヤモンド社,2006 今日の組織では,自らの知識あるいは地位のゆえに組織の活動や業績に実質的な貢献をなすべき知識労働者は,すべてエグゼクティブ

人生最適化の目的関数と制約条件

「最適に生きてるか?」とは,昔所属していた研究室でよく使っていた挨拶だ.プロセスシステム工学という分野だったので,何事も最適化する癖が全員に染みついていた. 最適化というのは,最大化または最小化したいもの(目的関数や評価関数と呼ぶ)を決めて,ある制約条件の下で,自分で変化させられる何かを変化させることによって,その最大化または最小化を実現する作業のことだ.すべてを数式で表現できれば,その最適化問題を計算機で解くこともできる. 幸福度を最大化しながら生きる何も難しい話ではな

目的と手段を取り違えないために

「四隅」を取ることを目指しすぎて,リバーシ(オセロ)で勝てない. 「飛車」を取ることに熱中するあまり,将棋で勝てない. そして,重箱の隅を突くような研究をする. こういう人は目的と手段を取り違えているわけです.ゲームに勝つことが目的だとしたら,そういう行為は控え目に言ってアホのすることです.でも,世の中,そんなアホみたいことで溢れています.なぜなのか. 目的があって,それを達成するために手段がある. そりゃそうだと思う人は,目的と手段を混同するなんてことはないですよね.

話し方入門 - 学生に読んでおいて欲しい本

デール・カーネギーの名著「話し方入門」には,人前で上手に話すための秘訣が書かれている.もちろん,単なるハウツウではない.人に伝えたいと切望するものがあること,周到に準備をすること,練習に練習を重ねて自信を持つこと,始め方と終わり方に注意すること,わかりやすく話すこと,そして,美しい言葉を身に付けることなどが挙げられている.人前で話すことの重要性を認識し,上手に話せるようになりたいと願う人にはきっと役立つはずだ. 先に,お勧めの書籍として,デール・カーネギー(Dale Car

人を動かす - 学生に読んでおいて欲しい本

自己啓発系の書籍で,私が心から素晴らしいと思っているのが,このデール・カーネギー(Dale Carnegie)の「人を動かす」だ.良い人生を送るために,どのように人に接するべきか.人を味方にし,友を増やし,心豊かな人生を送るために,どのように人に接するべきか.この本には,豊富な具体例を添えて,人心掌握の原則が書かれている.学生にも読むように強く勧めている本で,実際,読んだ学生からは圧倒的な支持を得ている.人生を変える一冊になるかもしれない. D・カーネギー,「人を動かす」,

機会を見送る人と活かす人

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で,普通の大学では対面講義ができなくなり,遠隔講義への移行が進んでいる.しかし,もっと以前から,大規模公開オンライン講座(MOOC: Massive Open Online Courses)と呼ばれるプラットフォームがあり,世界一流の講義を誰でも受講できるようになっている. そのうちの1つが,ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)によって創設された"edX"だ.現在,140機関が参加し,2500を超えるコースを提