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ショーガールを観る

ストリップ映画。
ストリップ映画なのに全然エロくないという。セックスシーンにしても猿の交尾を見てるようであんまり興奮しない。
バーホーベンは何でもかんでもあからさまに描いてしまうのでエロスに対する神秘性というものが軒並み剥がされてしまうのである。彼の映画らしいとも言える。

そもそも俺は今度公開するAnoraを楽しみにしており、「Anoraにはストリップ要素があるそうだからストリップ映画としての文脈で鑑賞してみよう」「そのためにちょいと予習しよう」そう思ってこのバーホーベン曰く「ラスベガスのストリップ業界を描いた映画の中で最も正確」な映画を観たのである。
ただこれ、ストリップを題材にしているものの、中身は半分にスポ根である。「ベガスでストリッパーの頂点に成り上がるぜ!」とあれやこれやの策略を駆使して頑張っていくあたりはけっこうアツい。
ただやっぱりアダルトな業界を美化するのではなく、その闇(枕営業)や夢に敗れる人々も出てくる。主人公にしても学がない上にあんまり物事を考えずに突っ走って損こいたりする。
ここらへんはバーホーベンらしいバランス感覚だと思った。彼の中に善人とか完璧な人間ってのは存在しないのだろう。

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