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高卒就職者は時代の「勝組」という考え方

-前置き-

私は進路指導の中の就職指導を分掌として担当をしています。以下は、就職指導担当としての立場で5月に3年生生徒に向けて発行しようとしたものからのコラムになります。

近年の高卒求人状況、企業担当者の方からの熱い思いを伺い、結果、偏った内容となりボツをくらいました。

ですが、内容そのものには重要なメッセージが含まれていると考えていますので、ある程度オブラートに、今回は表現をより柔らかくし、わかりやすく伝える形でお届けします。

1.高卒で就職することの価値を見直そう


皆さんは「高校を卒業したらすぐに就職する」という進路についてどう感じていますか?かつては、大学に進学して学歴を積むことが将来の成功につながると考えられていました。しかし、今の社会では状況が大きく変わってきています。少子高齢化や大学の乱立により、学歴社会の重みは薄れ、終身雇用の仕組みも崩れつつあります。高校卒業後の就職は、今や「勝ち組」といっても過言ではない選択肢なのです。

2.バブル崩壊後の時代を生きた親世代


今、皆さんの親世代は、1990年代にバブルが崩壊した後の「失われた30年」を経験した世代です。この時期は不況が続き、高校卒業後の就職が厳しく、フリーターとして働く人が増えた時代でした。また、労働環境も「きつい」「汚い」「危険」(3K)というイメージが強く、高卒での就職にはネガティブな印象があったかもしれません。しかし、これはあくまで当時の話です。今はまったく違う状況が広がっています。

3.今は「売り手市場」、高卒での就職は大きなチャンス


2024年の現在、高校卒業後の就職は「超売り手市場」といわれています。これは、求職者1人に対して、複数の求人がある状態を指します。企業側は高卒の生徒を積極的に採用し、長期的に育てていこうという考えを持っています。つまり、皆さんが社会に出るタイミングは非常に恵まれているのです。

親世代の常識では、「高卒で就職するのは負け組だ」と考えられていたかもしれませんが、今はその常識が通用しません。高卒で就職することは、むしろ企業にとって貴重な人材を得るチャンスとして捉えられており、皆さんは「黄金の卵」として見られているのです。

4.大卒と高卒の違いをよく考えよう


多くの高校生が大学進学を希望しますが、進学する大学によっては、学費がかかるだけで就職に有利とは限りません。特に、指定校推薦で進学できる大学が「Fランク大学」と呼ばれるところであれば、学歴としての価値はあまり期待できないこともあります。一方、高卒で就職すれば、奨学金などの借金を背負わずにすぐに働くことができ、4年間でかなりの貯蓄が可能です。例えば、初任給20万円で働いた場合、4年間で約800万円の貯金を作ることができます。

5.アメリカの例に学ぶ


アメリカでは、子どもが大学に進学する際、まずは就職して資金を貯めるというケースがよく見られます。自分でお金を貯めてから大学で学ぶことで、無駄な借金を避けることができるのです。日本でも、今の「売り手市場」を活かしてまずは就職し、後々必要であれば大学で学び直すという道も考えてみるべきです。

6.皆さんは「黄金の卵」


就職市場において、今の高校生は「黄金の卵」として企業に大切にされます。過去には、求職者1人に対して求人が1件以下という厳しい時代もありましたが、今は違います。2024年の求人倍率は4倍近くになると予測されています。これは皆さんにとって、大きなチャンスです。自分を安売りせず、将来の可能性を広げてくれる企業を見つけ、充実した社会人生活をスタートさせましょう。

このように、今の時代は高卒での就職が非常に有利な選択肢となっています。ぜひこの恵まれた状況を最大限に活用し、自分の可能性を信じて進路を選んでください。

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