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自分ごと化会議における無作為抽出の市民委員の意識変容

公共的な地域課題について議論するべく、市民を無作為で選んで参加してもらう「自分ごと化会議」。

会議に参加してくださった市民委員からは、様々なコメントをいただくことができます。そのコメントの中には、委員自身の考え方が変わり、地域課題が「自分ごと化」「身近な課題化」する様子がよくわかるものも多数あります。

 

 共通した意識変容としては、

 ・日常的に接する可能性の低い生活圏に分散していたはすの市民が無作為抽出という形で集まり「会話」することによって、考え方の多様性に触れたと実感している。

 ・各分野における課題を認識し、身近に感じるようになるとともに、「不安」「エゴではないか」「責任感」という自らを渦中においてメタ的(自己反省的)な視点を獲得している。

・自分何ができるか、どうすればやれるかという「意欲」へと変化している。

 といったもの目にすることが多いです。

 

 また、課題によっては、当事者の方があまり含まれてないグループでの「会話」となることもありますが、そのようなグループの中では、当事者とじかにフラットなで場で話すという経験が大きく「自分ごと化」を進めてくれるようです。

 逆に、当事者が比較的多いグループの中に、非当事者が参加されているようなケースでは、当事者の方が非当事者の方がこの課題に強い関心を持っているということを知って、驚き、おそらく心強さを感じとることに、繋がっているようです。

 

 無作為で選ばれる皆さんの間には、相当な偶然でもない限り、特段の利害関係は存在していません。そこは、瞬間的な「ロールズの原初状態」「無知のベール」が現出している空間となる訳です。そこで様々な会話が織りなされる結果、参加したくれた市民に意識変容が起こることになります。この意識変容が、参加された市民に政治的自己効力感の獲得、向上につながるものと確信しています。