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経済の有り様について考える

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日本経済のあり方が末期症状を見せる中で、何とか「その先」に行く方策について考えたいと思っています。
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記事一覧

防災庁の設置に向け、真の「災害予防」のための災害対策基本法の見直しを

1.災害に関連する多くの法制度、法律を体系化しようとしている『災害法』(大橋 編、2022年…

労働者協同組合とDAO

 労働者協同組合は、DAOと親和性が高いのではないかと漠然と考えていた。  しかし、経営と労…

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都市社会学、都市認識における空間論的転回

 社会現象が都市空間の特定の箇所という物理的な客体と相互に紐づけて認識されるようになった…

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所詮、制度は制度でしかない

リバタリアンのような所有権絶対というのは、普遍的なものではなく、イデオロギー、あえて選択…

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大学教育への公的支出の増加の是非

 大学教育が、当該者の生涯所得を向上させるという計量的結果から、当該者の大学学費よりも多…

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「両極分解」は、これからなのかも知れない

グローバルなブルジョワ階級の実在性 「共産党宣言」は、政治的パンフレットであるが故に、…

従来型の産出構造からの脱却

製造業は既に主要産業ではない ○日本経済の国内総生産に占める第2次産業の割合は既に5分の1を下回っており、狭義のサービス産業だけでもほぼ同じ水準なっている。これに非営利サービスを追加すれば、製造業の割合を「サービス業」の割合が超えることになる。 ○これらのサービスの中で、需要が増加するのは、生活(支援)関連サービスであることは論をまたない。より具体的に言えば、保育サービス、障害者や高齢者の介護・生活支援サービス、医療・看護サービス、地域安全関係(ニート指導等)サービスである

産業の担い手についての考え方のアップデート

生活支援サービスと株式制度の不整合○これからの日本の社会経済制度の維持可能性という観点か…

人的投資としての社会保障観への転換

投資としての社会福祉 ○社会福祉、社会保障の強化をさらに積極的に正当化する論拠として、「…

自足型国家への転換

国際金融情勢の変化○目下の国際的金融情勢から明らかなように、当面国際的な資本移動は停滞す…

営利性と組織法制度の不整合

成長分野と営利法人 最近、非常に気になっているのは、成長分野(?)としての、農業やヘルス…

デジタル法定通貨と電力

 あくまで社会的機能の面からのみ見たアナロジーだが、実物貨幣(通貨)というのは、それ自体…

デヴィット・ハーヴェイ「<資本論>入門」

 マルクス・リバイバル(何回目?)が言われますが、自分も再び「資本論」にチャレンジしてみ…

シュンペータ教からの脱出

 日本だけでなく、新自由主義的経済社会では、シュンペータ教に染まっている人が多く、「起業」とか「イノベーション」を盲目的に信仰しているように見えます。その結果、アントレプルヌーア、経営者が足りないとして、むやみやたらと、経営者、起業者、経営管理者を増やそうとしています。  しかし、本当に足りないのは、社会的に価値のある優良なアウトプットや質の良い雇用を生み出す「優秀な経営者」であって、修飾語のない経営者一般ではありません。だから、ネットで廃業が多いのです。むしろ、労働者が足り