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経済の有り様について考える

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日本経済のあり方が末期症状を見せる中で、何とか「その先」に行く方策について考えたいと思っています。
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記事一覧

労働者協同組合とDAO

 労働者協同組合は、DAOと親和性が高いのではないかと漠然と考えていた。  しかし、経営と労…

都市社会学、都市認識における空間論的転回

 社会現象が都市空間の特定の箇所という物理的な客体と相互に紐づけて認識されるようになった…

所詮、制度は制度でしかない

リバタリアンのような所有権絶対というのは、普遍的なものではなく、イデオロギー、あえて選択…

大学教育への公的支出の増加の是非

 大学教育が、当該者の生涯所得を向上させるという計量的結果から、当該者の大学学費よりも多…

「両極分解」は、これからなのかも知れない

グローバルなブルジョワ階級の実在性 「共産党宣言」は、政治的パンフレットであるが故に、…

従来型の産出構造からの脱却

製造業は既に主要産業ではない ○日本経済の国内総生産に占める第2次産業の割合は既に5分の…

産業の担い手についての考え方のアップデート

生活支援サービスと株式制度の不整合○これからの日本の社会経済制度の維持可能性という観点から重要なのは、生活支援サービスを提供する事業主体の在り方である。米国のチャンドラーが「組織は戦略に従う」という経営学・経済学上の極めて重要な命題を提出しているが、生活支援サービスを提供する事業体にふさわしい組織形態とは何かということを改めて検討していくことが望ましい。 ○サービス提供に事務所が少なくとも1つ必要かもしれないとは言え、生活支援サービスでは、必ずしも巨額の固定設備を本質的に必

人的投資としての社会保障観への転換

投資としての社会福祉 ○社会福祉、社会保障の強化をさらに積極的に正当化する論拠として、「…

自足型国家への転換

国際金融情勢の変化○目下の国際的金融情勢から明らかなように、当面国際的な資本移動は停滞す…

営利性と組織法制度の不整合

成長分野と営利法人 最近、非常に気になっているのは、成長分野(?)としての、農業やヘルス…

デジタル法定通貨と電力

 あくまで社会的機能の面からのみ見たアナロジーだが、実物貨幣(通貨)というのは、それ自体…

デヴィット・ハーヴェイ「<資本論>入門」

 マルクス・リバイバル(何回目?)が言われますが、自分も再び「資本論」にチャレンジしてみ…

シュンペータ教からの脱出

 日本だけでなく、新自由主義的経済社会では、シュンペータ教に染まっている人が多く、「起業…

出資バウチャーという方法論

マクロビジネスのための制度的ビークル 現代の会社法や一般法人法などの団体/法人法制制度の下でも、マイクロビジネスのビークルを作り出すことは十分可能。  株式会社であっても、株式を全部譲渡制限付とし、買取請求について定款で制限すると共に、会社の運営についての少数株主の議決権能を強化した上で、業務運営に参加する「社員」に株式を持たせる=出資させることで、従業員一体方の経営体を作ることはできる。  持株会社(特に、合資会社や合同会社)であれば、さらに定款をもってより柔軟な仕組みを