最近の 圕の大魔術師 は思っていることを表現してくれる。
good!アフタヌーン 2023年6月号 が通常の電子書籍だとまだ配信されていないのか?コミックDAYSの方にはあるけど。
そんなわけで、2ヶ月前もちょっと書いた、圕の大魔術師(字が難しいから、図書館の大魔術師でも良いか)ですが、今月も良かった。
#ネタバレ あるので、ちょっとスペース開けておきます。
これは前月号の。
そして新刊が来月発売。
今、メインの話は福書典祭という、文化祭的な図書館のお祭りに対して、主人公たちがどう挑むか?という話になっていて、そこで同じ同期のメンバーがいろいろ絡んでいくという話。
群像劇なので、個人的には好みの展開です。
前回書いたときの話は、最後が主人公とひと悶着合ったメディナ=ハハルクというキャラが出てきたので、再び絡むのかなと思っていたら、そこはわりとあっさりと。前回、今回はカウィチ=ホサネクというキャラが大きく絡むんだけど、これが良いんだ。
友人からは効率化重視と評価されているんだけど、ちゃんと理解している友人からは「その代わり立場や身分で差別をしない、結果重視」とされていて、ある種極端だけど間違っていないと。
このキャラは実家をその才能で経済的に立て直したとされていて、お金儲けに力を注いでいる。それがある意味、非難されがちにも見える。
今回の作品の中で、次のように書かれている。
これ、現代者社会、特に日本だとわりとその傾向が強いと思うけど、なんかそれは違うなって思うし、国土の狭い日本は、儲けることを重視して突き進むべきだと思うんだよね。環境破壊とか、ブラック企業とかはあってはいけないけど、それは「枠組み」「ルール」という制限の中でうまく儲けることをしていくべきなんじゃないかなと。
少なくとも、設けているところを叩いてもしかたないんですよね。
それは今回作品でこのカウィチ=ホサネクというキャラが、主人公を含め図書館の司書の給料を上げる、ひいてはそこから周囲も豊かにするという、使命感に触れているんです。それは貧困救済・慈善活動ではないという話のになり、儲けを生み出す構造を作っていかないと、みんなでコケてしまうということになる。そういった気づきがある内容だったなぁ。
一方でマンガ的にも、カウィチ=ホサネクが主人公とともに取り組んでいくと決めたら少し表情が変わるんですよね。そういうのは、マンガの良さですよね。
あと、ちょっとだけしか触れていないんだけど、協力者が集まっていくんだけど普通のキャラクターとして「シュコ=トバッチ」というキャラクターが出てきます。このキャラ紹介が今回の話の中で一番好きなところです。引用すると。
そうなんですよねぇ。普通をこなし続けることができるって、結構すごい能力なんですよね。作品では個性の強いキャラが多いけど、ちゃんと普通にも焦点を当てるのがスキでした。
6月発売の新刊ではどこまで収録されるのかなぁ。来月も楽しみです。