映画 正欲 感想
実は、見に行く前は、2時間半ぐらいあるのか。ちょっとしんどいなって思っていました。なので、暫く躊躇していて、やっと見に行ったという感じです。
結果、見て良かったし、懸念していた上映時間も気になりませんでした。
では、 #ネタバレ 対策で、改行しますので、気になる方は回れ右で。
単純に、がっきー、新垣結衣さんがでているから、という理由ですが「あ、これは重たい逃げ恥だ」が途中からの感想でした。重いというか、暗いというか。
もちろん逃げ恥も扱っているテーマは軽くないですが、作品としてはコメディでやっているから多くの人に受け入れてもらえていると思うのです。それと比べれば空気感は重たいし、絵も暗め。でもやっぱり、現代の作品だなって思う。
この作品で、新垣結衣さんが演じたキャラを新垣さんにキャスティングしたのは、なかなか英断というか、すごいなって思った。それこそ逃げ恥で明るめのキャラのイメージがあるし、他の作品ではそうでも無いのかもしれないけど、この作品のようにいわゆる「陰」のキャラは程遠いところにいるイメージが強いです。
でも、前半はいわゆる陰キャだったし、世間に順応している時はガッキーだった。その感じがしっかり出ていたと思う。
作品としては、稲垣吾郎さんと新垣さんのダブル主演という事なんですかね。
で、まぁ稲垣さんがこういう頭の硬い役をやると、ハマるよね。演じているのが検事役ということもあり、それが随所に際立っていた。
話の構造的には、稲垣さん演じる寺井と新垣さん演じる桐生が対比なだけど、作品の中では「普通」の寺井だけが取り残される感じですよね。実際こういう人も多いだろうし、自分自身の中にもあるんだろうけど、一方でここまで歩み寄れない人もいるのかなってちょっと思った。歩み寄り方が相手にとって正しいか分からないけど、ここまでのもね。
後半、寺井が検事として桐生に向かい合うシーンがあるけど、そこの会話ややり取りは純粋に怖いなって思った。嘘というか間違ってはいないけど、桐生に見せたのは、証拠としては切り取りした部分だもんな。幼児虐待趣味に向けるための。
それは、桐生が磯村勇斗さん演じる佐々木への理解が勝るから、全く動じないわけで。この最後の信頼が良かった所でした。
自分自身は、佐々木と桐生ほどではなく、現代ならある意味一般的にパートナーと過ごしている。それでも、出会えたことは運が良かったなと思うし、コロナ禍もあって、分かってもらえないから閉ざしてしまうとなると、ますますしんどいのも分かる。
難しい側面もあるけど、できる部分というか、分かる範囲で理解し合えたいとも思う。その一方で、安直に「理解する」なんて考えずに、相手が嫌な気分にならなければ、それ以上踏み込まない関係でも十分なのかなとも思う。
そんなちょっと考える作品でしたが、面白かったです。