469/1000 【ウィットとは】 失言王フィリップ王配の魅力
フィリップ殿下(正確には王配)が無くなった。
ちなみに、女王の配偶者や女性天皇(愛子様がお成りになるかも知れないからね!)の配偶者が正式にどう呼ばれるか、の英日表記を調べたエントリーはこちら。
あちこちに失言爆弾を落としたことで有名な殿下だが、それらの全てが失言とは限らないのではないかと思う。
どちらにも記載がある、中国への留学生への「長期滞在しすぎると目が細くなっちゃうよ」発言には、実は、中国でも「長いこと西洋に留学し続けると目が丸くなっちゃうよ」という表現があることを受けてブラックユーモアに転じたという説もある。
発言は、コンテクストから抜粋されると真意が曖昧になる。
ポリコレとは真逆であることは間違いないものも多いけれど、最近は、ウィットとポリコレが真逆の存在になりつつあることも感じる。
「お父さんお母さん」の表現を排除する、なんてポリコレ運動そのものが何かのコメディと化している。
フィリップ王配の失言は認めつつも、それでも(それだからこそ)彼を慕っていたイギリス国民も多いのではないかしら。
彼のウィットのセンスには、思わずニヤリとしてしまうザ・トラッドなイギリス風ブラックユーモアが感じられるのだ。
お亡くなりになったら、もうあんな風に歯に衣着せぬウィットを飛ばせるロイヤルファミリーはいなくなってしまうのかな。
そんな時代の終わりを感じる訃報でありました。
そうそう、
王配を調べるきっかけとなった2年前の生前退位の際に書いたエントリーはこちら。
エリザベス女王が生前退位なさることは無いのかも知れないけれど、それでも最愛の旦那様がお亡くなりになったことは、相当応えるのではないかしら。
99歳ならば大往生の年齢ではあるけれど、それでもご心痛、いかばかりか。
ヘンリー王子(この呼称もいつまで続くのかな)がご葬儀参列なさるようで、良かった。
悼みの行事は、社会階級に関係なく人間にとって必要な営みだと思うから。
明日も良い日に。