323/366 町田の巳巳巳巳
今年もカルガモの親子はちゃんとお引っ越しができたらしい。
カルガモが特段好きなわけではない。付近に住んでいるわけでもない。ましてや、目撃したわけでもない。
それでもニュースに出ると、ホッとする。
ヒョコヒョコとお尻をフリフリしながら、お母さんに置いていかれまいと懸命に歩く5、6羽の子ガモの兄弟。
前を堂々と進むお母さんだけを一心不乱に見ながら、尻尾をピンと立て、ちちちちち、と歩いていく子どもたち。あんなにたくさんの車が行き来する道を渡ることなんて初めての経験だろうに、茶色のもふもふの群れは遅れちゃならんという思いだけで進んでいく。
ホイッスルを鳴らす、白いベルトに青い制服のお巡りさんに目もくれずに。
よく見ると性格が見えてくる。無鉄砲で脇目も触れずに歩く子。ちょっぴり及び腰な子。前方不注意で、時折お母さんを追い抜き、ハッと気付いて慌てて足を止める子。
己己己己
春先の足元に息吹く、四文字熟語。
いいなと思ったら応援しよう!
言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。