121/365 【ワクワク】 airbnbオンライン体験に果てしない可能性を感じたこと
新しい体験は、旅の醍醐味だ。写真でしか見たことのない景色を実際に歩き、光の強さに驚き、香りを嗅ぎ、肌にまとわりつくような湿気の中を泳ぐように歩く。初めての味覚体験もあるだろう。
旅はいろんな「初めて」に溢れている。
コロナの影響で、今や国内旅行はおろか、公共交通機関に乗って「ちょっとそこまで」行くことすらもはばかられる状況が世界中で続く中、airbnbが新たなサービスを開始した。
それが、airbnbオンライン体験だ。
世界各国の様々な人たちが自分がリードできる体験を提供している。基本的にはzoomを利用してのエクスペリエンスだ。
アメリカのパラリンピックの選手と一緒に汗をかこう!(ビリーなんて目じゃないんだろうな)とか、ラテングラミー賞候補者のご自宅ライブ!(どんなご自宅なんだろう)とか、ポルトガルのドラァグクィーンと一緒にサングリアと秘密のセッション(気になりすぎる)とか。
音楽ライブやヨガ、瞑想、フィットネス系が多い印象だが、それ以外にも、あるオリンピアンの一日に密着、とかチェルノブイリの犬を追う!(???)みたいな密着系も多々ある。
私は「直感で書く」というクリエイティブ・ライティングのワークショップに参加した。
教えてくださるのは、エミー賞候補にもなり、数々の受賞歴のある脚本家のKaren Kasabaさん。参加者は、カリフォルニアから2名、カナリア諸島から1名、フランスから1名、日本から私。
内容は、思い入れのある物を手に取りながら書くこと。
一言で言えばそれだけなんだけれど、まずはその「モノ」を皆に見せずに、物についての説明を1分書く。その後、書いた文章をお互いに読み合ってフィードバックを出し合う。
フィードバックの出し方についてのコーチングもある。中でも、作者に対するフィードバックをするときに、「あなた(あるいは作者の名前)は〜」とフィードバックするのではなく、「ナレーターが、〜と書いているところがXOだった」と言うと良い、というルールが面白かった。これにより、ぐんと客観性が増すのだ。
また、「ここらへんが刺さった」「この言葉を聞いて、次を読みたくなった」などもいいフレーズ。要は、フィードバックは具体的にということだ。
1分で「モノそのもの」について書いたら、次は5分かけてそれを膨らませていく。どんな方向でもいい。モノの説明を続けてもいい。モノの思い出を語ってもいい。
私は「アメジストの指輪」を持ち込んだ。そしてその指輪に語らせてみた。
モノという対象物があることで、即興で書く文章にもぐんと具体性が増す。物に語らせるでもいいし、それにまつわる旅の話でもいいし、詩作をしてもいい。本当に自由。
私以外は全員「旅の思い出の品」を持ち込んだのは、airbnbというプラットフォームの特性だろう。皆、旅好きさんなのだ。
濃密な1時間だった。
コロナが無かったら、こんな出会いは無かっただろう。いや、あったかも知れないが、こんなに手軽ではなかったはずだ。
今、日本からはアニメの作画のレッスンとか、お寺で瞑想とか、キャラ弁の作り方などが提供されているが、まだまだ少ない。日本発外国向け発信にはもっともっと可能性はあると思う。
音楽系は親和性が高いだろう。YouTubeなどと違うのは、インタラクティブ性を備えていることだ。例えば和楽器だったら、楽器についての説明を入れた上で質問も受ける。参加する人はそもそも日本の和楽器に興味を抱いている人だろうから、双方向での対話が成り立つ。
少人数制のレッスンも成立しそうだ。楽器系はもちろん、他にも応用が効くのではないだろうか。例えば漫画の描き方はどうだろう。地球の様々な国にいる人々が、同じ時間に絵を描く。講師はそれをみてアドバイスをする。
カメラマンによる、写真のワークショップも開催できそうだ。まずは全員、お家で静止画撮影の練習をする。ものは事前に用意して貰ってもいい。今回私はものを「書いた」がそれが「被写体」になるのだ。
それだけでも、生活にハリと彩りが加わりそうだ。いつもの自宅が、突然被写体だらけになる。切り取り方によっていかようにでも変わることを、自宅に居ながらにして教わることができる。しかも、海外の方々と。
もう少し外出できるようになったら、フォトグラファーとバーチャル散歩に出て、彼、彼女らが景色をどう切り取っていくのかを体験し、露出がこれくらいの天気だったらこう設定すると良いよ、といったコツを話していく。
或いは、今後海外渡航が解禁された時を見越して、海外でも人気のアニメの舞台の「聖地巡礼ツアー」を行う。これは、国内でももう少し落ち着いてからでないと出来ないけれど、少なくとも国際線の復活よりも前に、国内移動は復活する... だろう。
airbnbオンライン体験の参加者は、基本的には旅好きさんだ。彼ら彼女らはみな、コロナが収束したときに行く旅の妄想を今まさに広げているはずだ。そんなポテンシャルを持つゲストの方々と繋がっておくことができる。
昔は世界中を旅したが、もう簡単に旅に出るのが難しいご高齢の方や、様々な理由からなかなか旅に出られない人にも楽しめる体験を提供できる。しかも双方向性を持ちながら。
今日、Jazz Auditoriaというイベントがあった。毎年GW期間に開催されている無料・有料ライブイベントなのだが、今年は国際ジャズデーの今日、各アーティストがご自宅から30分の生配信ライブを行う形を取って開催された。
その時、一人のアーティストがMCで言った。
ちょっと変な気持ち。だって私は生演奏をしているのに、みんなの声が聞こえないのだもの。
airbnbオンライン体験ライブであれば、お客さんの声も届く。各演奏ごとに拍手の音も聞こえるし、息を呑む音すらも感じられるかも知れない。演奏中はミュートにしなければならないこともあるかも知れないが、少なくとも曲と曲の間はミュートを解除してやりとりができる。反応を楽しむことができる。
世界はこんなに繋がっている。そんな体験を日本発で増やせると思う。
もし通訳が必要になるならば、ご連絡ください。お手伝いできると思います。
zoom使用の会議通訳が増えてきている昨今、私はzoomで通訳することと相性が良いと実感している日々なのです。
てか、すごい可能性を秘めていそうで、妄想が広がる一方なのです。
明日も良い日に。
resilient