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【名も無き存在とは】 「レイディマクベス」
我々に静寂が訪れるのは、臆病者か裏切り者が王座を手に入れて、国の全てが燃え尽きるのを城壁の上で見下ろす時だ
戦争を終わらせるには、どんな条件が必要になるのだろう。憎しみの連鎖で戦争が泥沼化しがちな昨今で、落とし所なんてあるのだろうか。
どちらかが消滅してしまうまで、銃声は止まないのだろうか。
「戦争」が「業務の一環」に過ぎない王族は、まだいいのかも知れない。お茶会なり飲み会なりで戦争の話をしていればいいのだから。でも、「戦うこと」が「仕事」の兵士は?彼らを率いる軍幹部の人々は?
そして「仕事」に出ていく「夫たち」を、家で待っているしかない「妻たち」は、何を望めばいいんだろう。勝利?それには相手を殺さなきゃならないのに?
「マクベス」が緩やかに下敷きにはなっているけれど、それ以上に、現代の寓話のように感じた。全体的には権力争いの話なので、そこは「マクベス」みがあるし、3人の魔女だってちゃんと登場して、ちゃんとかの有名な予言も出てくるんだけど、なんだかギリシャ寓話みたいなものを感じた。
女性というだけでそこかしこに蔓延る不条理に対する怒りや、やるせなさも。そして、その中に確かに存在する、愛も。
削ぎ落とされた装置と、濁流のようなセリフの量。圧巻。
天海祐希さんの両肩にかかっているものが大きすぎて戦慄。
いまだにちゃんと咀嚼が出来ていない。うーん。もう一回見てみたい。
明日も良い日に。
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