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6/365 【感歎】 生分解性プラスチックの可能性について

2020年、感情noteを始めます。

心が震えたお芝居や映画や本、訪れた場所といったコト録も続けますが、それらは言わばハレの日。その合間にある「普通」の毎日を、も少し書いてみたいのです。でも、何でも良いってなると、ちょっぴりハードルが高いんです。

感情は毎日動くもの。喜怒哀楽のようにパッキリしたものもあるけれど、その隙間にある色とりどりのあわいも見つめてみる。良くも悪くも、なんかもやっとしたやつ。1日を振り返って、感情がなーんも沸かなかった、なんて日もあるかも知れません。それはそれで興味深い。

写真と140字だけの日もOK。ちゃんと整理できていなくてもOK。毎日書いていたら、何かが変わるかも知れないし、何も変わらないかも知れません。なーんも定かではありません。

でも、やってみたいをやってみる。できることなら、365日。意地っ張りな自分を見据えた上での、やってみようを始めます。

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レジ袋やペットボトル等、海洋プラスチックゴミの増加のニュースが流れるようになって久しい。オリンピックを前にして、レジ袋を減らそう運動も盛んだ。

現在、世界中で年間800万トンの海洋ゴミが発生しており、このまま増え続ければ2050年までには、重量換算でプラスチックゴミの量が魚の量を上回るという。

リサイクルしよう!使い捨てプラスチックの量を減らそう!という運動自体は間違っていない。だがそれは、プラスチックの負の部分のみに注目して悪者扱いし(英語ではdemonize。「悪魔の手先扱い」)、プラスチックの利便性を蔑ろにしている。しかも、その恩恵をたんまり受け取った使用後に。

そんな状況に対し、抜本的な解決策を提示するスタートアップ企業が、イギリスのポリマテリア社だ。


環境問題の中でもプラスチック問題は大きく取り上げられているが、活動の多くは大衆主義的且つ反動的で、頑張った感をもたらすのみ(feel good effort)である。このやり方では、これほど大規模な課題の抜本的解決にはならない。

この思いから、彼らはプラスチックの製造段階を変革させた。各プラスチック製品の樹脂、用途、及び使用寿命ごとにカスタムで作られる、マスターバッチという独自の製材を混ぜる。このマスターバッチを入れても、出来上がったプラスチック製品は通常のプラスチックと同等の性質を有している。

よって、プラスチックの使用方法はこれまでと一切変わらない。例えばお惣菜の容器やヨーグルトの容器は、その棚寿命中、きちんとその使命を全うする。

中身の消費期限や、任意で設定されたタイミングが来ると、マスターバッチによる触媒作用がスタートし、鎖状ポリマー内の結晶領域が崩れ、プラスチックが分解され始める。

この触媒プロセスの化学反応の記載もあるが、専門的すぎてきちんと訳せる自信がない。(深謝)ざっくりと訳すと、鎖状ポリマーが化学的且つ効率的に生体適合オリゴマーに分解される。すると炭素鎖が短くなり、自然な腐食分解がしやすくなる… らしい。ああ、脳みそから滝汗。

いやでも聞いて!めげずにもう少しだけ読んで!ここからが凄いから!

マスターバッチ入りプラスチックの生分解が完了すると、マイクロプラスチックすらほぼ残らず、残るのは二酸化炭素、水、そしてバイオマスのみなのだ!

このバイオトランスフォーメーションという分解プロセスを経た結果、ポリプロピレン容器(残り物入れる時に使う容器等)や、ポリエチレンの蓋(お惣菜容器の蓋等)が完全に生分解される。ちなみに、適切に生分解されているかは、ISO取得のラボで第三者認証を受けている。

面白いのは、彼らのマスターバッチを使用したプラスチック製品には、「消費期限」が記載されている。Biodegradable(生分解性)という表示だと、消費者にとって分かりにくいからだ。要はこの消費期限日までにリサイクルして下さい、という意味で、この日を過ぎると、製品の分解が、製造段階で設定された日に勝手に始まる。忘れて食器棚に置いてあるものも、土に戻したり太陽光に当てたりしたものより時間はかかるが、いずれバイオマス化するそうだ。

プラスチックの利便性を顧みず、利用できる間はお礼も言わずにこき使い、利用できなくなったら悪者扱い、という考えはブラック企業のようだ。

自然に返すことを念頭に置いてプラスチックを再設計し、それを実用化した彼らの技術力が凄い。

リサイクルできれば最高だが、リサイクルセンターやリサイクルシステムが身近にない場合でも、放っておけば自然に還る。

リサイクルした人も気持ちがいいし、様々な理由でリサイクルできず、罪悪感を感じかねない人の後ろめたさもなくなる。もちろん地球にも優しい。

こういったソルーションの広がりは、周りへの優しさの広がりと同義に感じる。

Eco-friendly(環境に優しい)という言葉は社会が利便性のみを追求した結果、急増した環境問題に対処するため、自然に再度目を向けねばという思いから生まれた言葉だ。環境配慮が普通のことになれば、優しい、だけで全てが包含できるはずなのだ。それが自然に出来るようになった時、SDGs達成も加速する気がする。

彼らの試みが広がるように応援したい。自分が出すゴミも減らしながら。


言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。