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他人に軽く扱われたくない

「かわいいね」と会うたびに言ってくる女友達がいた。
でもそこには、私をバカにする響きがあった。
気色悪い。きちんと縁を着る必要がある。

私は常に人目に怯えながら生活をし、他人からの見下された態度には人一倍敏感だった。

好意に勘違いはあっても、悪意は大抵外れない。


しかし、最近ようやく気づいたのだが、
誰よりも私をバカにしているのは私だった。

私は鏡を見るたびに、罵声を浴びせていた。
「よくその顔で外を歩けるね」
「醜い体型だ」
「笑った顔なんて特に酷い」

真夏でもマスクを外さず、長袖の黒い服ばかり着て、怯えていた。


私の最も醜い部分は容姿ではなく、この偏った価値観だった。

私は私だけを罵倒しているつもりだったが、この矛先は知らず知らずのうちに他人にも向けているのではないか、と怖くなった。

もしも私に対して「あなたのことが好きだ」と言ってくれる人間がいたとして、
私は相手に対して頭がおかしいと思うだろう。

自称行為は周りに迷惑をかける。


私は筋トレを始めた。
なぜなら、私は筋肉ムキムキの相手に怯むからだ。

私は私を軽く扱わないために、筋肉ムキムキマッチョになって
自分を見返してやろうと思う。


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