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算命学余話マガジン #U1~U10

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中国古代占星術、算命学を学ぶ人のための一考察として執筆中の短編読本です。算命学の基礎は学習済みだけれどもその先を知りたい、という中級者・上級者を対象に綴っています。技術的な話が半…
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記事一覧

『算命学余話』U番号目録

(※この目録をマガジン未購入でも無料で閲覧可能にするため、便宜上100円の有料記事とします。以下、記事全体を無料公開(いわゆる「試し読み」)部分に設定し、便宜上付け加えた最後の一行のみが有料部分にしてあります。この一行のためにわざわざ100円払うことなく、無料部分をお楽しみ下さい。)  『算命学余話』は、算命学を学ぶ人のための読み物です。入門レベルから進んで中級以上の鑑定技術を知りたい方や、算命学の理念について理解を深めたい方、或いは算命学にはさほど興味がないけれど人生につ

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算命学余話 #U10「回転法から局法へ」/バックナンバー

 算命学余話第10回は、2回に渡って考察してきた回転法から派生して生まれた局法について考えてみます。  その前に、回転法の止星が人生の目的を意味していることから重要と指摘しましたが、補足すると、止まる星とは逆に始まる星である「始星(これもしせいと読む)」もまた宿命によっては重要な働きが課せられています。始星は文字通り「星を回した」時の最初の星のことで、「リアカーを引っ張る」時に一番力が要るのが引っ張り始める瞬間であることから、物事を始める時の原動力として強弱がキーになる場合が

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算命学余話 #U9「回転法の流れ」/バックナンバー

 回転法は陽占の人体図の十大主星を相生関係の順に「星を回す」ものだと前回説明しました。この技法は鑑定ではかなり使用頻度が高く、その人が自分の持って生まれた特性をいかにスムーズに発揮できるかを計るのに効果的です。  基本的に回転法で星がまんべんなくよく回り、その先に止星のあることがこの技法においては有効な宿命と判断されますが、星の並びによっては回らなかったり、回り続けたり、止星が二手に分かれたりと、きれいに片付かない場合があります。こうした場合、宿命として悪いとは言えませんが、

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算命学余話 #U8「回転法を考える」/バックナンバー

 前回の余話#U7では、宿命天中殺であるサッチャーがどうやら「無欲無心」を徹底して宿命を陽転させ、星を輝かすことに成功したようだと論じました。天中殺をその名のおどろおどろしさから忌避する人が多いので、それを払拭するよい例になったと思います。天中殺は正しく利用すれば通常にない力を発揮しますし、天中殺に限らず困難な宿命の型であっても、困難を克服した暁には標準的な人生よりずっと勝る幸運を手にすることができるのです。  但しこうした珍しい宿命や難しい星並びは活用方法を間違うと逆効果

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算命学余話 #U7「鉄の女の所以を探る」/バックナンバー

 サッチャーの死を喜ぶ一部の人々がYou tubeで『悪い魔女が死んだ』をダウンロードして祝杯を挙げている。彼女の政策は国内格差を生んだというからダウンロードしているのは格差の下の方の庶民ということになる。日本の現在の格差の原因は小泉純一郎の政策だとされているが、彼が死んだ時に貧困層が祝杯を挙げるとは思えない。日本の庶民は今でも純ちゃんが大好きで、彼のせいで自分が貧乏になったのだとしても責める気は薄い。彼は面白すぎたカリスマで(彼は首相時代、毎朝登庁すると朝の挨拶に続けてひと

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算命学余話 #U6「中殺現象の理屈」/バックナンバー

 前回の算命学余話では「天中殺の王様」こと日座中殺を採り上げましたが、日座中殺でなくとも一般に天中殺とはこうした現象を引き起こすものです。ただその程度に大小があったり具体的にどういう場所、性質、人間に異常現象が生じるかの差は出ます。異常現象がもたらす結果が必ずしも災いになるとは限らないので、天中殺だからといって怯える必要はないのですが、名前が悪いのか、怯える方が多いので、誤解を解くために引き続き天中殺の話をします。  後天運で回ってくる天中殺の適切な過ごし方については以前ブ

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算命学余話 #U5「日座中殺を考える」/バックナンバー

 算命学余話第5回は、前回触れた日座中殺について考えてみます。  日座中殺というのはずばり、生まれた日が「甲戌」か「乙亥」の人のことです。生まれた日は六十種類あるので、毎日同じ数の人間が誕生するとした場合、六十人に二人が日座中殺という計算になります。多いでしょうか、少ないでしょうか。この二つの日座中殺の意味を考える前に、まず天中殺のそもそもの理屈をおさらいしてみましょう。  初期のブログ記事に挙げたように(カテゴリ「算命学の仕組」参照)、天中殺理論というのは天地のずれ、即ち

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算命学余話 #U4「納音と冲動を考える」/バックナンバー

 No.369でけなしてしまった岡田嘉子ですが、もう亡くなった方ですし研究者による伝記も出版されているので、宇宙人の主観的見解に納得いかない方にはこうした書籍を手に取って自己判断されることをお勧めします。他人の言の鵜呑みはいけません。私もこの人に個人的な恨みがあるわけでもなく、ただ他人の足を引っぱって平然としている人種が生理的に嫌いだというだけですので、鑑定依頼をしようとお考えの方のために「この易者はこういう性質の人間だ」と認識してもらうための判断基準として開示しているまでで

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算命学余話 #U3「散法と合法の考え方」/バックナンバー【再掲載】

 今回は、前回と絡めて冲動の話から散法について論じます。  冲動はすべての十二支に必ずあるもので、その十二支から六つ先の相手、時計に直すと180度正対する位置のものが冲動相手となることはお話しました。冲動の関係は「正面衝突」を意味し、散法の中でも最も激烈な衝突現象を起こします。  しかし冲動を筆頭とする散法は、本当に災いしか意味しないのでしょうか。いいえ、算命学は基本的に良し悪しを論じないので、散法が悪いとも冲動が怖いとも何とも言っておりません。はっきりしているのは「散法は

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算命学余話 #U2「天禄星と天馳星を考える」/バックナンバー

 今回は、前回No.357に続いて十二大従星の天禄星と、天馳星について考えてみます。  天禄星は壮年の星で、最強星である天将星に匹敵するパワーを持つことは前回説明しました。天将星との違いは徹底したリアリズムであり、派手さがない分「陽転」すれば堅実で信頼に値する人となりとなり、「陰転」すれば陰険・冷酷となります。そして今回天馳星を挙げるのは、天馳星と天禄星の関係が「冲動(ちゅうどう)」にあることを考えたいからです。  冲動とはカテゴリ「算命学の仕組」の初期に説明したように、

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算命学余話 #U1「大将運と参謀運を考える」/バックナンバー

 算命学が古代中国で体系づけられた頃、この学問は専ら戦争に使われたと言われている。つまり勝敗がにわかに決しそうにない互角の戦いである場合、天に祈るという手もあるけれど、もっと現実的にどういう人物をどこに配したら、そうでない場合より勝機を呼び寄せられるか、ということを気にして人事に用いたわけである。適材適所が集団を強くすることは今更論じるまでもなく、戦力になる人材を前線に送るのは現代の軍隊でも企業でも同じだ。集団が他の集団と競い対決する場合、物理的な戦力も地の利も互角であるとす

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