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大人からの過干渉・トラウマを抜け出す~ラッセル幸福論・解決編~

前回の続きになります

前回は、バートランド・ラッセルの「幸福論」をもとに、人間を最も不幸にするものは大人からの支配やコントロール・言い換えると「過干渉」が原因だというお話をさせていただきました。

では過干渉の結果、生じた問題に対して具体的にはどのような心がけを持てばよいのでしょうか?

今回が、その答えになります!

ラッセルが言う対処法・・・つまり「人生に幸福をもたらしてくれるもの」は大きく4つです。彼の言う対処法が、囚われた自分を救い出すためのヒントになるかもしれません。

1つめ【私心のない興味を持つこと】

私心のない興味というのは、損得や競争など抜きで、ただやってるだけで楽しいもの・興味が持てるものです。

「~べき」
「やらなきゃいけない」

と言った義務感に借りたてられてやるものではなく、ただただ自分の内側から来る興味関心から没頭できるものの事ですね。

ラッセルにとってのそれは、「数学」「哲学」でした。

2つめ【仕事】

ラッセルは、一定の条件を満たせば仕事も人生を幸福にしてくれる重要な
エッセンスになる、と言っています。

その条件とは、
①建設性がある
⇒自分のやったことが具体的に形になる、終わりががないので無限にやり続けられる

②スキルアップし続けられる
⇒一定のところでスキルが頭打ちになってしまうような仕事ではなく、スキルアップし続けることができる仕事というイメージですね

③人生の目的と仕事の目的が一致していること
仕事を通じて自分の人生の目的に向かって突き進んでゆく事ができる、自分の仕事に誇りを持てるということですね

の3つだそうです。

3つ目【自分の心に正直に生きること】

「自分を騙しながら生きる努力ほど疲れるものはない。自分に嘘をつき自分を騙して生きたとするならばその先にやるのは失望と幻滅だけだ」

とラッセルは言います。

彼の「心」は、祖母からの支配やピューリタン的信条によって、一度は奪い去られたものでもあります。それでも、その心は、その炎は完全には消された訳ではない、いやほんらい消える事のない炎でした。

この言葉は、その「炎」を守り抜くという覚悟なのかもしれません。

4つ目【自己超越】

自分自身の内側ばかりに目を向けるのではなく、自分の思考を外に広げなさいということです。
また彼は、物事を宇宙規模でとらえて、客観的に眺めろ、視座を高く!メタな視点を持て!といった事も言っています。

「どうせ私なんて・・・」
「私はどう人から世間から思われているか?」

などなど、自分に注意が強く向いている状態というのは、自分だけを見ているようでいて、周りの他人や、理想の自分との「比較」にさらされやすい感じがします。

具体的な行動を伴わないので、自分の目の前の現実や人間関係も変容しませんしね。

物事を宇宙規模で捉えよ!という主張はさすが数学者・哲学者らしい視点だなと思います(笑)

でも宇宙や自然といった大きなものの存在を意識することで、自分という存在や、その抱えている悩みが小さく感じられるというのはよく分かります。

宇宙規模で見れば私の存在はそれこそ点にも満たない、小さな小さな存在ですし、私の人生の時間が50年だろうが100年だろうが、宇宙の時の流れの中では一瞬の煌めきにも満たない長さですよね。

さいごに

僕自身、親や立場の強い大人から強く抑圧され、自分の心を失いひどいうつ状態に陥ったという経験を持ちます。

そんな私にとってラッセルという人物は、自分とははるか遠い「偉人」ではありますが「大人からのコントロール・過干渉」という大問題に向き合った先輩という側面もあり、たいへん身近に感じられる・共感できる部分も多くありました。

この文章が、過干渉や大人によるコントロールという問題に今立ち向かっている方や、生き方に迷っている方の参考になれば幸いです。

ありがとうございました。

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