映画「パーフェクトデイズ」とハンナ・アレント
SNSを開けばキラキラしたインフルエンサーが右も左もひしめきあっていて、みんな「俺を見ろ~!」って叫んでる。僕も叫んでるけど僕はインフルエンサーではない、声小さくてインフルエンスできない。誰か。
閑話休題、そんな喧騒だらけの世界の中でも、平山のように自分の中にある静かな充足感を持って生きられることって、すごく贅沢な生き方なのかもしれないな。
何かを追い求めるだけが人生じゃなくて。ただそこにあるものを大切にできる。日常のちょっとした機微に気づくことができる。そんな人生もまた、偉業に負けない価値がある。
物語ラスト、全ての感情が入り混じったような平山の表情を見ると、「あんた絶対いい時間を積み重ねてきたんだろうな!それはそれでアリだよな!ブラボー~」つって拍手を送りたくなるよ。
思想家のハンナ・アレントが言っていた「鑑賞生活」を思い出した。
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「鑑賞生活」っていうのは、雑にまとめると
「ただ忙しくしてるだけじゃなくて、自分や世界をじっくり見つめ直す時間も大切にするような生き方」のこと。そうした時間が世界の美しさや本質を理解することに繋がり、人生がもっと豊かになるよ~、みたいな思想。
平山が日々の中で自然や小さなものに目を向け、感じ取ろうする行為、それはまさに「鑑賞生活」に近いものではないのかな?って思ったり。
何気ない日常の中で出会ったものに触れる・見る・感じる・育てるその全てが、全てひっくるめた全部が、もしかすると「人が生きる」「人生」っていうことなのかなあ?って最近思いはじめてる。まだこのへん、言語化できてないのだけど…
僕も自分や世界をじっくり見つめ直しながら、回復につとめるよ。平山さんに乾杯!!