マガジンのカバー画像

ペチュニアの咲く丘に

12
運営しているクリエイター

#恋愛小説

「ペチュニアの咲く丘に」#7 喪失感

 咲良は真司と別れてから1ヶ月。

 未だに悶々と謎の感情が頭の中に居座っていた。

 真司のことがまだ完全に嫌いにはなれない。
 しかし、なぜそんな男に惚れてしまったのだろう。
 自分の嫌だと思う感情になぜ蓋をしていたのか。
 もっと自分の感情をさらけ出し、相手に伝えていれば二人の距離は縮まったのだろうか。
 段々と好きだっという感情から、後悔と反省が入り混じる感情が込み上げてきていた。

もっとみる

「ペチュニアの咲く丘に」#5 違和感

 真司の歌を聴きながら仕事の準備をする咲良。上機嫌だ。

 付き合いたてと言うのはどうして胸の奥底が落ち着かないのだろうか。
 何を着て行こう。昨夜から用意していた洋服もいざ当日になると気分的に違うような気がして、また一からコーデを考え直す。
 女という生き物は好きな人の前ではいくつになっても可愛くありたいものだ。

 付き合って2ヶ月。咲良と真司は近すぎず遠すぎずな距離感をほどよく保っていた

もっとみる