キ上の空論 #17 『ピーチの果て、ビーチのアビス、つまりはノーサイド』Aチームを観劇して
第一弾の時は演劇のえの字にも触れていなくて
夏の第二弾は残念ながら現場観劇叶わず
色んな人にとっても雪辱だろう第三弾
まず無事に拝めた事が嬉しいです
千秋楽までこのまま欠ける事無く
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粗めのあらすじとしては
生まれの不遇から産まれた怪物と
人々との触れ合い、交流、流転
そういった顛末の模様でしょうか
『人と関わりを持った獣の物語には必ず不幸な結末が訪れる』と言うある映画の台詞が過りました
以前拝見したキ上さんの『朱の人』でもとても印象的だった、登場人物のモノローグは今回のキ上ピーチでも健在で、あぁ、これだ!これこれ!と
テンションが上がり引き込まれていきました
このヒリヒリ、ギリギリとした空気、作品世界を醒めさせずに貫き通すのは、確かな質と意気込み、熱意があってのものなんだろうなと、そう思えるほど物語、劇、状況と自分の距離感がクリアな感じを受けました。二時間でしたか、舞台作品としてはどちらかと言えば長めに入るかなと思いますが、一切のダレる場面も無く終始、ただただ気になり、どこに着地するのかとワクワク×ドキドキ×ヒヤヒヤ×心地よいしんどさを帯びた時間を過ごせました。満足な時間。満たされた時間でした。
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またR-18の舞台であり胸の露出、セックスの描写も所々あるのですが、物語の描写の補強、状況、人物の表現の手段であると言うのがヒシヒシと伝わるもので、勿論自分は異性愛の男であるので女優さんの肉体の美しさにひととき目を奪われるのはあるのですが、決して『脱ぐ舞台』じゃないですね。上演前の毅然とした各種アナウンスからも、出演者ファーストの姿勢が見られていいな、観る方としても安心して楽しめるなと思いました。
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朱の人でガツーーーン!!!と大きな本多劇場を使った作品に魅了されて、今回の比較的小ぶりなサンモールスタジオ、はたしてどういう風になるのだろうと興味津々でしたが、大小に適切にサイジング出来るんだなぁ、凄いなぁ(語彙力)と感じました。
長々長々と書いたけど、一言で言って大満足👍