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卒業式で「高校生になっても靴紐が結べなかった」答辞を号泣しながら読んだ話

こんにちは!自分がちょっとだけKing-gnuの井口さんに似てると思っているバールのような者(@doranobic)です。

昨日は卒業式でした!!!

この前、安倍さんが全国の学校を月曜から休校にすることを発表してましたがギリギリぼかぁの学校の卒業式の方が早かったので中止にはなりませんでした。

さて、そんなコロナウイルスにかかるかかからないかの瀬戸際で行われたギリギリ卒業式で答辞を読みました。


ぼかぁがです。



インターネットに見えない彼女とハグするGIFを投稿しているぼかぁがです。

なんでこんな奴に答辞とかいう大事なイベントを任されたのかは分かりませんが一生懸命がんばりました。

せっかくなのでそこで読んだ答辞を解説しながら紹介します。

1. 高校の入学式の話

答辞

野山に街に、段々と春の賑わいが広がってまいりました。春爛漫のうららかな今日という日に僕たち卒業生120名は■■高校を卒業する。

僕は靴紐が結べなかった。入学式は体育館シューズの紐を垂らしたまま出た。そんな新入生は僕一人だった。恥ずかしくてずっと俯いていた。
 
中学の間、僕は引きこもりだった。パソコンをいじって過ごした。気楽だった。でも、すごく差がついた。普通のことが普通にできなくなった。靴紐だけじゃない。字を書くこともできなくなった。漢字どころか、ひらがなを書くのさえ、僕は苦労するようになっていた。俯いたままの耳に校長先生の言葉が飛び込んできた。

「学校はできないことをできるようにする場所です。」
 
そうか。できないことをできるようにする場所なのか。なら、学校という場所は、僕のような、何も出来ない人間のためにあるんだ。できないことをできるようにする努力を続ける限り、靴紐すら結べない、ひらがなすらロクに書けない、こんな僕でも、高校生をやっていいんだ。

この言葉を信じてみよう。僕は思った。

「学校は、できないことを、できるようにする場所です」
 
僕がまずトライしたこと、それは靴紐を自分で結ぶことだった。15年間出来なかったことが、わずか15分でできるようになった。

はい、こう見ると嘘みたいな話なんですけど

ぼかぁ15歳まで靴紐が結べませんでした。 

じゃあ外に出る時どうしたんだよ?って嘘松探偵団の人は思うかもしれませんが大丈夫です。

だって外なんか一年くらい出なかったんだもん!

↑高校入学直後のぼかぁです。ネクタイがだらしないですね。

それで高校の入学式の日に体育館の前で体育館シューズを持ちながらぼかぁ焦っていました。中学までの体育館シューズってこういう感じだったんですが

高校からいきなりこれになっていたんですね。

はい、詰み

その時は携帯を持っていなかったのでその場で靴紐の結び方をググることも出来ず、入学式が始まるまでにちょうちょ結びの方法を0から発見しようとしてました。でも集合時間1分前にそんなことは不可能だと気づいて、紐が解けた状態のままダッシュで体育館の中へ

初対面の担任に「もっと早く来なさいよ!!」って言われてめちゃくちゃ凹みました。入学式が始まる前に怒られるってすごいですね。

で、紐が解けた状態のままパイプ椅子に座ってたんだけど。周りの同級生の足元をキョロキョロ見回して、ぼかぁみたいな底抜けなダメ人間いないかな~って探してたら1人もいなかったんですね。

これもめちゃくちゃ凹みました。

「あ、もうこの学校退学して高校生にならない方がいいかも」て本気で思いました。だって靴紐が結べないんです。ちょうちょ結びすら出来ないんです。

下手したらこの位の年齢の子に負けているかもしれません。この子達の3倍生きているのに。

後、その時一年くらいペンを握っていなかったから平仮名の”も”の形を思い出すのに1分くらいかかりました。どうしてそんなぼかぁがこの高校の入試に受かったのかは永遠の謎です。多分落ちた人は解答用紙にアンパンマンでも描いたんでしょうね。

そんな無能すぎる自分に悲観して明日から不登校になることを考えている最中、校長先生の言葉が耳に入ってきました。

「学校はできないことをできるようにする場所です。」

多分この言葉が無かったらぼかぁ入学式翌日に不登校になっていたかもしれません。その位この言葉に救われました。

で、家に帰ってYoutubeの動画を見ながら練習したら15分で結べるようになりました。その時の動画は確かこれです。

とても下らないことだけど、これはぼかぁが高校生活で一番最初に学んだことです。

2.演劇部の話

生まれて始めて部活動にも入った。演劇部だ。先輩や顧問の先生にいろいろ教わった。大事だと思うことは必ずメモした。メモは今でもすべてとってある。最初の頃はひらがなばかりの下手くそな字。それでも僕の宝物だ。

一年の冬には■■大会に出た。■■ブロック350校の演劇部のうち、上位15校しか出られない大会だ。緊張しすぎて芝居の最中に鼻血を出した。人目が怖かった僕には、演劇は得難い場所になった。

無事、不登校にならずに高校に行くことができた入学式の翌日、ずっと部活動とは程遠い人生だったので高校で部活に入ろうと決心しました。

本当は写真部か映画部に入りたかったんだけど、そんな部活なんて無かったから一番近そうな部活として演劇部を選びました。

元々の部員は5人で新入部員が14人入ったんだけど、ぼかぁともうひとりの男の子以外は全員女子でした。こんなに女子がいる部活なら一人くらいとコイニハッテンシテ、素敵なことやないですか。と思ったんだけど夏の頃には女子全員辞めました。ガーン・・・

後で話を聞くと、女子全員が声優志望でアニメとかによくあるワイワイほのぼのした演劇部かと思っていたらしいです。実際はそういうのとは真逆の部活で、稽古中に演出の人が怒鳴ったのがショックで嫌になったらしいです。

さっそく同級生が二人だけになった演劇部の夏の大会では音響をやりました。色々あって上の大会に勝ち進むことが出来たんですけど、役者だった先輩が突然2人退部してしまって代役として自分が選ばれました。

演劇って一人にかかる責任と重圧ってものがものすごくあるんですよね..

例えば美術部は全部が一人の責任で、良くも悪くも一人でなにかしていればなんとかなると思うんです。でも演劇って一人が欠けたら全てが変わります。誰かと一緒に何かを作る難しさや面白さ、人はみんな替えのきかない大切なものなんだっていうことを、ぼかぁ演劇を通じて学びました。

だからこそ自分がその場にいる意味を強く実感することができて、生まれてから一回も部活動に所属したことのなかったぼかぁが3年間最後まで続けることが出来ました。

これは一年生の頃に初めて携わった舞台の台本です。ボロボロで変色しちゃってます。多分、汗と涙とこぼしたお茶の色です。著作権とかがあるから中身は見せられないけど、色んなことがビッシリと書き込まれてあります。

これは練習中に使っていたメモですね。よく見てみると下手くそな字だし何て書いてあるか分からないけど全部とってあります。

それで、初めて立った舞台では緊張しすぎて鼻血を出しました。相当焦りましたが鼻血をダラダラ出しながらも最後まで演技を続けました。

後で舞台の上に垂れた鼻血の痕を拭きながら責任者の人に謝ったことは今でも覚えてます。

その時に着ていた衣装にべったりとついた鼻血の痕ですね。

部活では辛いことも楽しかったことも色々あったけどその体験一つ一つが高校生である瞬間にしか味わえないもので、どんなことでもそれはぼかぁの思い出でぼかぁの宝物です。

3.同級生の話

2年生になると、友達ができた。友達ができのも僕には初めてだった。今なら分かる。友達というのは、頑張って作るものではなくて、同じ場所にいて、同じことをするうちにいつの間にか、友達になっているものなんだと。もちろんたくさんいるわけじゃない。他愛のない話をしながら■■駅まで帰るだけだ。でも一緒にいて楽しい。自分の思うように反応してくれなくて、もどかしかったりするけど、それでも楽しい。パソコンは一緒にいてもこんなふうに楽しくはなかった。もどかしくないけど、友達のようには楽しくない。

友だちと話していると、■■高校にはいろんな境遇の人が通ってきていることが分かる。親とうまくいかなかったり、アルバイトをして、そのお金で学校に通ってきていたり。外国籍で日本語に苦労している子もいる。僕と同じ様に人が苦手で苦しんでいる生徒もたくさんいる。

自分以外のひとのことを思う。

これも僕にはこれまでにしたことのないことだった。そうして気づいた。できないことをできるようにしようと頑張っているのは、僕だけじゃないんだと。■■高校に通っている生徒は、今の自分じゃない自分になろうとして、学校に通ってきているんだなと。

そう考えると嬉しい。ここが、この学校が自分の居ていい場所に思える。同級生のみんなを仲間だと思える。こんな思いも中学までは持ったことがなかった。初めての思い、初めての、経験だ。

高校入学した当初のぼかぁ友達が一人もいませんでした。

これって結構深刻なことで唯一の話し相手は飼っている犬だけだったんです。家族とも不仲であまり喋らないし、かといってネットで話相手を探してもSkypeのグループ通話ではいつもミュートして会話している気分だけを味わってました。

で、高校では心機一転して友達を作るぞ!って張り切ってコミュニケーションの勉強をしてたんですよね。

もうこの本は20回くらい読みました。

でもコミュニケーションって知識だけあっても、あんまり意味ないんですね。


高校に入学して間もないころのエピソードなんですが、ぼかぁ購買に恥ずかしくて行けませんでした。だからお昼ごはんを食べずいつもスマホをいじって過ごしてたんですけど

陽キャ女子「バール君ってどうしていつもお昼ごはん食べないの~?」

:(;゙゚'ω゚'):←突然話しかけられてキョドるぼかぁ

ぼかぁ「あ...えとぉ...(必死に考えて)ラマダン中なんだよね。はは...」

陽キャ女子「ラマダンってなに・・・?」

その後ラマダンの説明も上手く出来ずに微妙な空気になって陽キャ女子は離れていったんだけど、めちゃくちゃ凹みました。

やっぱりコミュニケーションってこういう失敗を積み重ねて上手くなっていくものなんです。部活に入った当初も地蔵みたいに受動的でホウレンソウもまともに出来ませんでしたからね。

コミュ力に関してはC-3PO以下だったぼかぁですが、高校ではなんとか友達が出来ました。

演劇部で唯一の同級生だった男子です。

でもそれぞれが好きなものは別々で、はっきり言って趣味は何一つ合いませんでした。

ぼかぁずっと共通の話題と共通の趣味が無いと友達って出来ないものだと思っていたのでこれは一つの発見でした。

共通の体験でも友達は出来ます。

むしろ意を決して友達を作ろうと思わずに、その人と同じことをしていれば自然に関係が生まれると思います。ぼかぁの場合は発声練習だったり大道具を運んだり、そういったことをしている内にいつの間にか友達になっていました。

そして友達が出来て分かったんですけど、この学校は偏差値の低い公立高校なのでワケありな生徒が多いんです。

例えば、母親と二人暮らしをしながらアルバイト代で授業料を払って、修学旅行も自分で稼いだお金で行った男の子。

中国から日本に移住してきて、学校で不自由な日本語をからかわれて、いじめられてきた女の子。

普通の顔をして学校に通ってきている生徒も意外とそれぞれのライフストーリーを持っています。ふとしたキッカケでその人の事情を知る度に思ったのが自分だけが不幸のチャンピオンじゃないこと。

むしろぼかぁなんかまだまだ恵まれている方です。

友達が出来てから初めて自分以外の人に目を向けられるようになりました。

4.卒業式の話

僕はまだまだダメダメで、できないこともたくさんある。今でも、疲れて動けなくなってしまうこともある。そんなときはあの言葉を思い出してみる。■■の三年間でできるようになったことを思い返してみる。そうすると、またゆっくりと立ち上がれる。きっと立ち上がれる。何度でも何度でも。

「学校はできないことをできるようにする場所です」
 
在校生の皆さん■■高校は居心地のいい場所です。でもそれに甘えず、ほんの小さな事でいいから、なにかやってみてください。人に訊くこと、慣れるまでほんの少し辛抱すること、そして「どうせ」って言わないこと。

大丈夫。靴紐が結べなかった僕でもこうして卒業できるんだから。
 
名残は尽きませんが、お別れのときがやってまいりました。お世話になった先生方、ありがとうございました。そして、今日まで育ててくれたお父さんお母さん、ありがとうございました。

最後に■■高校のますますの発展を願って答辞といたします。
 
令和2年2月27日
第36回卒業生代表 岡崎進

同級生の話をしている辺りからポロポロと泣いていました。卒業式で泣くような女子が大嫌いだったので泣き出している自分に驚きました。

卒業式って学校の教育過程が終了して、卒業証書を貰い、卒業し、新しい場所に行ける。本来喜ばしいことのはずです。そんな中、式中や教室に戻ってからもメソメソ泣いている女子達。雰囲気ぶち壊しでなんだこいつら・・・って昔のぼかぁ思ってましたね。

だけどあの時に泣いていた女子ってきっと学校が楽しくて好きだったんだろうと思います。

今でもぼかぁ学校が好きなのかどうか分からないですけど、高校で過ごした3年間が無かったら、ぼかぁ靴紐すら結べないダメ人間だったのは確かです。

だからこそ、答辞を読みながらこの学校で過ごした3年間は尊くて大切なものなんだと気づいて涙がポロポロと出てきました。

メソメソ泣いている女子にドン引きしていたぼかぁがです。

靴紐が結べない自虐を読みながら泣いている陰キャにきっと全校生徒はドン引きしていたかもしれません。昔のぼかぁだったらそんなことに凹んで思い出しては”うわあああああ"ってなってビルから飛び降りてたんでしょうけど、今は大丈夫です。

演劇のおかげで人に見られることも慣れたし、インターネットに見えない彼女とハグするGIFも投稿できますからね。これもある意味成長ですね。

5.終わりに

もし今、高校に通えてなかったり、高校を中退していたり、色々な事情で高校に通うのが嫌になっている人がいたら聞いてほしいです。

どんなに低スペックの駄目人間でも高校卒業は出来ます。

靴紐が結べなかったぼかぁでも卒業できましたからね

多分、高校に通うことの一番の目的はこの卒業証書をゲットして人生の難易度を下げることにあると思うんですけど。いざ受け取ってみたら、ただのちっぽけな紙切れで「こんなものの為に今まで面倒くさいことを我慢してきたんだなぁ・・・」って思いました。

高卒資格なんて、今では家にいながらでも獲得できますからね。

でも今のぼかぁにはそれ以外に学校で学んだこと、できるようになったことが沢山あります。

例えば、道を歩いている時に靴紐が解けて結び直している時でも、高校生活3年間の財産が生かされているってことです。こんなことでも高校生をやっていなかったら出来なかったですからね。

学校を、高卒資格を獲得する以上に価値ある場所に変えるには、なんでもいいから出来ないことを出来るようにしてみてください

それがどんなに小さくて下らないことでもぼかぁ笑いません。というか靴紐が結べなかったので笑える立場じゃないんですw

ぼかぁの場合は、靴紐だったりコミュニケーション能力だったり色々とあります。もちろん勉強だってそうです!

出来ないことを出来るようにした経験は将来あなたの財産になると思います。今の自分は学校で出来ないことを出来るようにした経験によって生かされていますからね。

ご清聴ありがとうございました!

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