『海街チャチャチャ』のピョ・ミソンが最高な友達すぎる件
もうすぐ最終回を迎えようとしている、Netflixで毎週配信中の韓国ドラマ『海街チャチャチャ』。本作品で、主人公の古くからの親友として登場するのがピョ・ミソンである。
主人公の親友が側で支えるというのは、韓国ドラマにおいて決して目新しいことではない。ただ、彼女は何かが少し違うのだ。それはきっと、良い意味で一言多いということ。そしてその一言が、時に絶妙なタイミングでお茶の間の気持ちを言い当ててくるのだ。そんな不思議な魅力を持つ、ピョ・ミソン(コン・ミンジョン)というキャラクターに迫りたい。
※ここから先は、作品の内容に触れるため視聴後にお楽しみください
1)ピョ・ミソンとは
主人公ユン・へジン(シン・ミナ)と中学以来の親友で、元々はソウルで働く。しかし、付き合っていた彼の浮気の発覚を機に、コンジンへ移住したへジンの元に辿りついてしまう。そして、彼女の家で一緒に暮らしながら、歯科衛生士としてユン歯科で働くこととなるのである。
2)へジンの保護者
本作品でのミソンの大切な役割の一つは、ヘジンの保護者役である。”あんたがいなくなると退屈になる”という彼女の言葉通り、ミソンにとってへジンは、見ているだけで楽しくて仕方がない。猪突猛進なへジンが、傷付きながらも日々前へ進んでいく姿が愛おしくて堪らないのだ。
しかし、ただ見守るだけではない。本当に危険な時や助けが必要な時だけ、気づくか気づかないかくらいの程よさで、手を差し伸べるのである。例えるならば、ヘジンという真っ白のキャンバスを自分色で上から塗りつぶすというよりは、放牧スタイル。超えてはならない一線までは、じっと側で見守るのである。そんな価値観を押し付けない、へジンの心のセーフティネットのような存在が、ミソンそのものなのである。
3)センスあふれる一言
ミソンは、「〜〜すべき」「〜〜であるべき」と言ったべき論は言わない。ただ、思ったことはタイミングを見計らって言葉にするタイプである。その表現の仕方が秀逸すぎて、ついつい笑ってしまうのだ。
例えば、へジンが覚醒するシーンである。彼女が雨の中歩き出す重要な場面で、へジンを心配しながらも「その花柄が余計に怖いんだけど」と唐突に言い出す。そう、おっしゃる通り確かに怖いのだ。だが、そんなことを言える雰囲気ではないのだ。本作品では、物語が甘すぎたり、しょっぱすぎたりすると、ミソンの究極の一言が絶妙なタイミングでスパイスのように追加される。そして、その一言が、時にもの凄く甘いのもミソンを愛おしくなってしまう理由の一つである。
4)相手の歩幅に合わせる
ゆっくりとホン班長(キム・ソンホ)に惹かれていくヘジンに対して、今までと様子が違うことをすぐさま察知するミソン。その状況をズバリ言い当てるというよりは、彼女なりにおどけながら、さぐりを入れることに徹する。自分からはなかなか言い出せないヘジンのペースに合わせて、助けが必要なのかを確認しているのである。真剣な装いではないところもまた、話しやすい雰囲気を作ろうとする彼女の配慮なのだと思う。
そして、PDとの恋の予感を察すると、いつもその場で思いついたような予定を思い出して去っていく。常にへジンの幸せを願い、彼女の歩幅に合わせて伴走するのもミソンの優しい一面である。
5)誰よりも相手を思いやる
ミソンの思慮深さは、恋愛シーンでも一層表現されている。今まで付き合った彼は悪い人ばかりという彼女。過去の彼に浮気されるなど、良い思いをしてこなかった結果、誰かに本気で恋をし傷つくことに恐れを感じてしまっている。
そんな彼女が心を惹かれるのは、コンジンに流れるゆったりとした時間を体現化したような警察官チェ・ウンチョル(カン・ヒョンソク)だ。彼女の言葉を借りるのならば、香港風イケメンの顔に惹かれたのである。
自分のこととなるとぐいぐい行くミソンだが、すぐに我に返る。戸惑うウンチョルを察して、迷惑をかけまいと彼女なりに距離を保とうとするのだ。じれったいのが苦手な彼女にとって、やっと本気で好きになれると思った優しい男性を待つことはなかなか辛かったに違いない。歯科医院で事件が起きた時に我慢をしたり、家族が入院した翌日も出勤しようとたりと、常に周囲に負担をかけまいと頑張るミソンの気遣いがここでも垣間見える。
6)見ている人を幸せにする笑顔
ミソンはよく笑うが、ガハハと笑い飛ばすよりも、ニマニマ笑う。へジンの成長が嬉しくて一人笑みをこぼすシーンは、つい見ている側もニマニマしてしまう。さらに、愛する人との幸せなひと時に見せる笑顔は、最高に可愛い。身体から嬉しい気持ちや幸せな気持ちが、静かな笑みから溢れ出ているのもミソンの魅力の一つだと思う。そして、意味を持たせるようなその笑顔は、各シーンを温かい気持ちで締めくくってくれるような存在でもあるのだ。
ミソンのような友達が側にいる人生って、どんなに温かくて楽しい毎日なのだろう。そんなことを考えながら、彼女のシーンを心待ちにしている。