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エンジニアリングマネージャー、技術とマネジメントどちらから登るか

エンジニアリングマネージャーの育て方

本日(2024/11/19 いいいくおの日)に開催されたEMゆるミートアップで、「2人目EMをどう育てるか」という話が盛り上がりました。

私がマネージャーになったばかりの頃は、エンジニアとしてキャリアを積んでマネージャーになるパスがほとんどだったように思います。最近ではマネジメント適性を見込まれて早い段階でEMになる、または自身がEMを目指すというケースが増えてきている感覚があります。

エンジニアから登る

エンジニアとして実績を積み、その結果としてEMになる場合、少なくともその組織でエンジニアチームのとりまとめを任せたいと思うくらいにはエンジニアリングで成果を出している、つまりスキルがあると考えられます。
私が経験してきたキャリアの中では、このパターンが多かったです。そして、この登り方の場合、エンジニアリングマネージャーとして職務をまっとうするためにはマネジメントに関するスキルを身に着けていくことが必要となります。
EMゆるミートアップで多くのEMが「まずはピープルマネジメントが大事」と言っていたのはとても印象的だったのですが、EMにとって必要なスキル、かつエンジニアが持ち合わせていないことが多い、つまり意識的にキャッチアップすることが必要という点で「まずは」と選ばれたのも納得です。

マネジメントから登る

エンジニアとしての経験は浅い(または全くない)けれども、人当たりがよい、いい感じにファシリテーションができる、または本人が希望しているためEMになる場合もあります。その場合、マネジメントのナレッジやスキルをベースにエンジニアリングについて理解を深めていくことになります。
EMに求められる仕事としては当然「マネジメント」を求められるので、そのスキルがあればエンジニアリングのベースがなくても意外となんとかなる場面もあります。
ただ、エンジニアの気持ちを理解したり、技術的な提案をしたり、なによりエンジニアの能力や成果を評価するためにはエンジニアリングに対する一定の理解が必要です。そのため、これらのスキルをあとからつけていく必要があります。

よって、オンボーディングプロセスは画一ではない

上記のように、エンジニアリングマネージャーというキャリアにつながる道はおおまかにわけて2つあります。ベースが全然違うので、必要なオンボーディングプロセスも全く違うものになります。

エンジニアからEMになる場合、一般的なマネジメントに関する書籍(ドラッカーとか)でインプットしたり、会社で管理職向けの研修があるならそれを受講したり、そこで学んだことを実際に試したりすることでマネジメントスキルを向上させられます。
たとえばビジネスマネージャー検定は、エンジニアとしてキャリアを積んでいる中ではあまり目にする機会がないかも知れません。テキストがほどよい網羅度であり、かつ試験がそれなりに歯ごたえがある(10年くらい前の話なので今の難易度はわかりませんが)のでスキル習得の観点でおすすめです。

ではマネジメントが先にあり、そこからエンジニアリングを身に着けていきたい場合はどうするとよいでしょうか。
もし会社に新人向けの研修コンテンツがあるなら、それを一通り履修するとよいでしょう。
また、独学プログラマーのような書籍でインプットするという手もあります。私の周りでも、この本をもとに周辺知識を身に着け、エンジニアの信頼を勝ち得ていったマネージャーがいました。

あと、これは手を動かすエンジニアリングから離れて久しいマネージャーにもおすすめなのですが、チームのモブプロに混ざったり、チームメンバーたちが参加している勉強会やカンファレンスに参加して目線を合わせる、というのも大事だなーと思ってます。

どっちから登ってもいい。せっかくだからちゃんと登ろう

というわけで、EMというロールにつながる道では一本ではなく、それぞれに適したオンボーディングプロセスや自学自習の術があります。
なんかいまいちEMとして芽が出ないな、というときは、もしかしたら今取り組んでいるプロセスが自分の現状にあっていないのかもしれません。いろいろ試してみましょう。

そして、せっかくEMの山を登り始めたのなら、「自分はEMのスキルを持っています」と自信をもって言えるまで登ってみましょう。楽しいですよ。

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