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1on1で話したことの何をオープンにして何をクローズにするか


1on1の内容を公開している理由

私がEMを担当するチームでは、私との1on1は原則として話した内容を記録し、公開するようにしています。
この話をすると、だいたい「1on1って、そこだけで話せることを話す場なんじゃないの?」と驚かれます。拒否反応もあります。
ですが、1on1を行う際に「公開できない/したくない」話が100%を占めることはそう多くありません(特に、まだメンバーとの間に信頼関係が築けていない場合、メンバーが誰にも言えないような悩みを打ち明けてくれることは稀です)。逆に、「それってチームのみんなで話し合ったほうがいいのでは?」という内容がそれなりにあります。
こういった「本当はみんなで話したほうがいいもの」を記録し公開することで、チームで腹を割って話す土壌が出来ていきます。

前提:1on1の目的

基本的には個人のための時間です。なので1on1の目的については以下のように伝えています。(最近入ったチームから伝えるようになって、わりといい感じなのでもっと前からやればよかった感はあります)

  • あなたのための時間です

  • 気になってることや課題を共有してください

  • それと一緒に向き合って、1on1が終わる頃にはスッキリしたり前進していることを目指します

  • それを毎週(隔週)続けることで1年後には見違えたように変化している、というのが理想です

公開1on1メモの記録

所属する企業ではesaを活用しているので、チームディレクトリの下に1on1ディレクトリをつくり、その下に個人ごとの1on1ファイルを作成しています。
「◯◯さんーいくお」のように、誰と誰が話したか分かるようにしています。
また、1on1を実施した日付ごとに見出しをつけることで特定の日の1on1までさかのぼりやすくしています。

記録の公開

以前は1on1を実施するごとにチームチャンネルに記録を共有していました。最近は1on1の数が多く、ノイズになっちゃうかな?という気持ちから自分の日報からだけリンクを貼っていましたが、これを書きながらあらためてチームチャンネルへの共有を再会しようかな、という気になっています。

公開する前におさえておきたいポイント

当然ながら、そもそも公開しないでほしいという人もいます。上記のような意図は伝えつつ、そもそも公開しないでほしいという方がいたら公開しない、というオプトアウト形式で運用しています。(いまのところ、そもそも公開しないでという方はいらっしゃいませんが)

公開"しない"サイン

話していて、以下のような兆候が出たら記録する手を止め、「公開しないほうがよいか」を確認します。

  • バイネームでの話

  • 表情が緊張したものになる

  • 「他の人にあまり相談できてないのですが…」と切り出される

  • 明確に「これはオフレコにしたいのですが」と言われる

その他、秘匿情報に関わる話や給与、人事考課など生々しい話に及んだ時はこちらの判断で公開文書として記録しないようにしています。

公開"しない"情報をどう扱っているか

基本的に、公開しない情報は記録しないようにしています。こちらが記録しているそぶりがあるだけで安心して話せない場合があるためです。
ただ、1on1を実施する相手が限定公開のドキュメントを用意してきた場合はそこに書き込んでいきます。そしてこのケースの場合、1on1以外の時間も使って非同期でコミュニケーションをとっていくことが多いです。ドキュメントを自分で用意するくらいだから、課題を解決したい温度感が高いのです。  

記録しない運用で大丈夫なのか?という点について。
まずひとつは、1on1が終わったあとで、抽象化・匿名化して1行程度のメモを残しておきます。
もうひとつは、あまりエレガントな方法じゃないのですが自分の記憶力を頼りにしています。わりと記憶力がいいほうなので今のところなんとかなっています。でも全然再現性ない方法ではあるので、だれかいい運用考えてください。

だんだんと公開できる内容は減っていく

1年くらい公開1on1を運用しているのですが、だんだん公開できる内容が減ってきているなーと感じています。
これはとてもポジティブなことで、チームで話すべきことはチームで話せている、ということでもあります。もちろんそうじゃなく、チームで話すべきだけどどうしても非公開で話さざるを得ない時もありますが…。

(すべての1on1が「今日はいい話した!」の記録だけになるなら公開1on1は辞め時で、普通の非公開1on1に倒すタイミングかもなー、というのが最近考えていることです)

公開1on1、ぜひお試しあれ

というわけで1年ちょっと運用した公開1on1についてまとめてみました。ぜひお試しあれ。

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