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あなたの現場の若手が率直な意見をいってくれないたった一つのシンプルな理由

もっとみんなの意見が欲しいのに

若手のホウレンソウに課題がある。意見を募っても出てこない。フィードバックを求めても「いいと思います」しか返ってこない。中年のみなさん、こんな悩みをもってないでしょうか。
おそらくあなたは、心の底から若い人の意見を欲しがっていることでしょう。ともに働く仲間としてフラットな関係を築き、高めあいたいと思っていることでしょう。

でもね、それは簡単なことじゃないんです。だって・・・

率直な意見をいってくれないのは歳が離れすぎているから

大卒・大学院卒の新入社員は20代前半。あなたはアラフォー。10歳以上離れてますね。

「確かにそうだけど社会人でそれくらい歳離れてるの当たり前田のクラッカーじゃない?」

そうですね。会社という組織では、それくらい歳が離れた人たちが同じチームにいるということは珍しくありません。
ここで、新入社員の目線に立ってみましょう。

大卒者の人間関係の幅は±5年程度

大学の研究室、サークル、バイト先・・・だいたいは同級生か、1-2年先輩・後輩の関係です。大学一年生の頃、四年生ってかなり大人な存在だと思いませんでしたか?大学院生に至ってはもはやちょっと怖い存在だったのではないでしょうか。

「いやいや、大学でも先生とかいるでしょ」

はい、います。でもそこは「先生」と「生徒」という関係。同僚というフラットな関係ではありません。ある程度の協働関係はあるかもしれませんが、そこには明確に「師弟」という線引きがあります。

いつのことだか思い出してごらん

自分が新卒だったときのことを思い出してください。40歳の先輩はどう見えてますか?35歳は?30歳は?
私個人の記憶では、30歳を超えている人はもう「大先輩」という感覚でした。40代ともなると、自分より自分の親に近い存在だと捉えていました。

抽象的な問いでは肯定的返答しか得られない

これまでの人間関係の中では存在しなかった年齢差。それだけ年上の人から「率直な意見がほしいんだ!」「これ、どう思う?」と言われて、本当に額面通り「率直な意見」を言える人はそんなに多くありません。
これまでの人生経験では、それだけ年齢が離れている人は自分を教育し、評価する立場であることがほとんどだったわけです。そんな相手に率直な意見をぶつけて、悪い評価をつけられたらどうしよう・・・相手が自分のレポートラインに存在しない人であっても、そう思ってしまうのです。

そうしたすれ違いから生まれるコミュニケーションはこうなります。

シニア「これ、どう思う?」
ジュニア「いいと思います!」
シニア「ありがとう(率直な意見ほしいんだけどな・・・)」

処方箋: 問いを具体化する

「どう思う?」と問われると「いいと思います」としか答えられない。じゃあどうするかというと、問いを具体化する方法をおすすめしています。

  • A案とB案があるんだけど、どちらの見た目が好みですか?

  • この部分の実装で悩んでいます。hogeさんだったらどうしますか?

  • ○○についての説明を書いているのですが、この説明通りにやってみるとどこで手が止まるか確認してもらえないでしょうか

抽象的な「どう思う?」だと、関係性が構築できていない間柄では「これは承認や称賛が求められているな…」という誤解を生んでしまうのですが、どのような意見が欲しいのか、アクションが欲しいのかを明確にしておくことで誤解が入り込む余地を小さくし、その人の意見を正しく引き出すことができます。

次のステップ: 感謝を伝える

そうして意見をもらうことができたら、感謝しましょう。ここでの感謝の対象はその人の意見の質ではなく、そもそも意見をくれたことです。

  • ありがとう、自分だけで考えてると何がいいかわからなくなってくるから、意見もらえるの助かります

  • アドバイス感謝です!一緒にいいものをつくっていきましょう

この「意見を言うという行為への正のフィードバック」があることで、相手は「意見を言ってもいいんだ」「いや、それどころか求められているんだ」ということを学んでいきます。

あなたが望んでいたフラットな関係へ

こうやって関係性を構築していけば、もともと望んでいたフラットな関係に近づいていくでしょう。「どう思う?」と抽象的にたずねても、ちゃんと相手の意見が返ってくる。

そもそも率直な意見をいいあう関係なんて、一朝一夕でできるものではありません。同い年の同僚だって、初めて顔を合わせたときはそうだったんじゃないでしょうか。あなたが会社の中で率直な意見を言えるようになっていったのは、長い時間をかけて関係性を築いてきたからじゃないでしょうか。

フラットにコミュニケーションする場がある程度できあがっている。新参者がそこにジョインしたとき、ほうっておいても元いたメンバーと同じようにコミュニケーションできるわけではありません。年齢が離れている場合は、特に難易度があがっていきます。

中年仲間のみなさん、自分が若者から見たら立派な中年であることを意識しましょう。存在しているだけで「怖い」存在だと自覚しましょう。その前提に立って、今回紹介したような具体的なコミュニケーション、それへの感謝を伝えてみてください。きっと、「若手が率直な意見を言ってくれない」という状況は変わっていきます。


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